富士通

半導体技術の微細化が急速に進む設計の生産性向上には、
ハイパフォーマンスな計算機システムで大規模データの短時間処理が重要

PRIMEPOWER本体装置は、(2008年5月に)販売終息いたしました。
なお、本製品の後継製品は、SPARC Enterpriseとなります。

各モデルの販売終息時期の詳細につきましては、「今までに発表した製品」をご参照ください。

富士通社内事例(富士通ヴィエルエスアイ)


システム名:LSI設計用CAD環境
製品:PRIMEPOWER 650、200

PDF印刷用 PDF版ダウンロード(5,051KB)

導入前の課題 導入による効果
  • 計算用UNIXサーバの老朽化と大量データ処理における能力の限界
  • LSIの微細化によって長時間処理が増加しており、計算機サーバには24時間無停止の信頼性が必要
  • 大容量の計算処理をより短時間で処理すること
  • 高い信頼性により安定稼働を実現
  • 大容量かつ重要なデータを短時間で処理できるようになった

富士通ヴィエルエスアイの概要

高度な半導体技術を活かし、富士通製品の設計・開発を手がける

私たちの社会は今、インターネットを中心に猛烈な勢いで情報化社会への道を進んでいます。その目指すところは、『ユビキタス社会』( Ubiquitous社会 = 誰でも、いつでも、何処でも、何とでも、情報交換ができる社会 )といわれています。そのユビキタス社会を根本で支えるものは、わずか数ミリのシリコンチップ上に多数のデバイスを集積したLSIです。普段の生活で直接触れることはないものの、その最先端技術の開発や高度化がユビキタス社会の進化を大きく左右します。

富士通VLSIは、LSIの設計・開発を行なう「LSI開発部門」、LSIの開発をソフト面で支援する「CAD開発部門」、LSIや他の電子デバイスの製造設備を設計・開発する「設備開発部門」といった、3つの部門を持っています。このことはすなわち、ユビキタス社会が必要とする高品質な富士通電子デバイス製品を、世に送り出すことができる会社であるということです。今後も、電子デバイスのトータルソリューションプロバイダとして、来るべきユビキタス社会の発展に貢献し続けられる会社を目指しています。

富士通ヴィエルエスアイの各事業部門概要

ロジック商品開発部門

「システム・オン・シリコン」をテーマに、ロジック系LSIの設計および試作を行う部門です。CMOS技術をベースにカスタムから汎用型までユーザーニーズに対応したデバイスと、その設計技術を提供。高度な処理を可能にするシステムLSIなど、最先端のデバイスを生み出しています。

CAD開発部門

半導体テクノロジーおよび超LSI開発などに貢献しているCAD開発部門。一連のツール開発とシステム統合を行うCAD部門をはじめ、各種EOAツール開発とネットワーク等のインフラ整備を行うCAE*部門、設計データの変換処理と製造データの供給を行うMASK部門、最新の設計技術でチップレイアウト設計を行うCI部門といった、4つ部門から構成されています。



設備開発部門

設備開発部門では、半導体開発に必要なあらゆる設備の設計・開発・製作・メンテナンスを行っています。一級建築士からソフト開発者まで多彩なスタッフを擁し、クリーン度や温湿度、振動など厳しい環境条件を高次元でクリアする、サブミクロン精度の超LSI製造に最適な環境を構築しています。

アナログ商品開発部門

BIP/Bi-CMOS/CMOS技術によるアナログ品種の設計・開発を担当し、最先端のアナログIC技術を駆使して、Personal Application 向けに小型・低消費電力・高性能ICの提供を行っています。


徹底したシミュレーションで品質向上と短納期を実現

富士通ヴィエルエスアイでは、半導体や各種製品の設計や開発を行うにあたり、富士通製CAD*や社外EDA*ツールを利用して徹底したシミュレーションを実施しています。これは、限られた短い納期でより高品質な製品を提供するためです。このほかLIS設計用CAD環境として、端末に入力しながら進める対話型の処理と、ジョブをキューイングして効率的にバッチ処理するLSFを状況に合わせて使い分けることで、シミュレーションやデータ作成/変換などの短時間処理を実現しています。

  • CAD(Computer Aided Design)
    計算機の処理能力、計算能力および解析能力を利用した設計システム。製品の基本設計から詳細設計までの設計、および構造解析や熱負荷計算、あるいは図面作成や配線設計も含まれる。
  • CAE(Computer Aided Engineering)
    工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータシステム。具体的には、製品の設計支援システムや、設計した製品のモデルを使って強度などの特性を計算する解析システム、製品の機能や性能を確認するためのシミュレーションシステムなど。
  • EDA(Electronic Design Automation)
    建築物や工業製品の設計に用いられるCADと同様に、半導体デバイスやプリント基板などの設計にコンピュータを用いること。
  • LSF(Load Sharing Facility)
    異機種混在のコンピューティング環境における負荷分散と動的ジョブ・スケジューリングによって、ジョブの処理に最適なサーバへ自動的に振り分けるシステム。(LSFは、Platform Computing Inc.の登録商標です)

PRIMEPOWERの役割と効果

最高性能ランクの計算専用機として登録
大量な計算処理を短時間で処理

LSI設計用CAD環境におけるLSFシステムには、複数台のサーバで効率的にシミュレーションやデータ作成/変換などの処理を行うため、各アプリケーションサーバの下に計算専用機として複数のサーバが存在します。

これまで使用していた計算専用機が、老朽化により業務効率の低下が顕著化してきたため、評価機による検証を行った結果、高いパフォーマンスを発揮したPRIMEPOWERを計算専用機として導入しました。PRIMEPOWERは、LSFシステム内の数百CPUにもおよぶ計算専用機の中において、他の計算専用機よりもたびたび高いパフォーマンスを発揮することなどから、最高性能ランクの計算専用機として登録されています。そして、重要でかつ短時間での処理が要求される業務に優先的に使用され、処理時間の短縮に大きく貢献しています。

このほか、さまざまなツールでのシミュレーションを行わなければならないため、計算専用機はあらゆるEDAツールが稼働する環境であることも求められます。この点、PRIMEPOWERは、多くのソフトウェアベンダー様が稼働を保証しているSolaris™ Operating Enviroumentが稼働します。PRIMEPOWERを導入することで、処理のパフォーマンスが大幅に向上し、至上命題であるジョブの投入から完成までのリードタイムの短縮を実現しています。

設計CADセンターイメージ
▲設計CADセンターイメージ

今後の展開

Linux関連の技術なども取り入れながら、より短時間での処理を目指す

今後もさらにLSIの微細化が進んでいくなか、納期短縮をいう大命題を推進していくために、計算専用機の増強、Linux技術の積極的な採用などを推進していく予定です。

今回の導入でPRIMEPOWERの高いパフォーマンスが実証されたので、今後のサーバ増強に関してもコストパフォーマンスの良いミッドレンジクラスサーバとして、PRIMEPOWER450、250などの導入を検討しています。老朽化してきたサーバをPRIMEPOWERにリプレースすることで、さらなる処理時間の短縮を目指していきます。

また、Linux関連の技術を取り入れていくことで、サーバパフォーマンスに応じた処理環境を実現していきたいと考えています。例えばLinuxは、LSIの規模が比較的小さいものや、すでにLinux上でのツールの実行が可能なものには積極的に利用して、処理にかかるリードタイムを短縮していきたいと思います。また、大規模でLinux上では処理できないものについては、PRIMEPOWERを利用して高速化するといったように、短時間で処理できる開発環境を常に模索していきます。

取材協力

▼富士通ヴィエルエスアイ

山口 俊雄

CAD統括部 CAE部
プロジェクト課長
兼 MASK部長付
山口 俊雄

服部 孝則

CAD統括部 CAE部
服部 孝則