富士通

野村證券は、トレーディング・システムの性能と信頼性確保に、富士通のUNIXサーバ『PRIMEPOWER』を選んだ。

PRIMEPOWER本体装置は、(2008年5月に)販売終息いたしました。
なお、本製品の後継製品は、SPARC Enterpriseとなります。

各モデルの販売終息時期の詳細につきましては、「今までに発表した製品」をご参照ください。

野村證券株式会社様


低金利が続く昨今、企業、個人ともに資産の積極的な活用が課題となっている。インターネットを利用したオンライン・トレーディングによる証券取引が身近な存在となり、資産活用の手段として普及し始めている。証券会社にとっては、取引のオンライン化、業務のシステム化が、サービス品質に直結する重要な取り組みとなっているのだ。

日本最大規模を誇る野村證券株式会社では、グループ企業であるNRI(野村総合研究所)を中心に、早くからシステムの開発、整備を進めてきた実績がある。特に、証券取引および関連業務のシステム化に関して、常に先進的な取り組みをしていることで、業界から先端事例として注目され続けている。

その野村證券が、拡大を続ける証券取引を効率よく処理し、システムの信頼性を確保するための施策を打った。それは意外にも、ハードウエアの性能を向上させることにより処理能力を高め、信頼性を確保するという、ごくスタンダードなアプローチであった。それを実現したのが、富士通のUNIXサーバ『PRIMEPOWER』である。

情報の高速化で値動きが活発に 取引に伴う業務負担が課題となる

エクイティ企画室
次長
迫 尚宏氏

証券取引が個人投資家を含めて、著しい活況を呈している。例えば、野村證券の個人投資家向けオンライン・トレーディング・サービス。今年6月26日に100万口座を達成し、現在も口座数を伸ばしているというから、その勢いには凄まじいものがある。

ホーム・トレーディングに限らず、インターネットなどのネットワークを活用したオンライン・トレーディング・サービスが充実したことで証券取引が容易に行えるようになり、売買は活発になる一方だという。

野村證券でエクイティ商品の取引に関するシステムを担当する、エクイティ企画室 次長 迫 尚宏氏によると、「オンライン取引にかかわらず、証券取引全てにおいて、現在、システムが重要な位置づけとなっています。システムの安定性や処理性能がそのまま取引に影響しますから、まさにシステムそのものが取引業務を遂行しているといっても過言ではありません」と説明する。

従来、証券会社に設置されたコンピュータは、証券取引所のシステムと接続された、単なる入力端末であった。しかも以前は、1つの注文をその都度入力していた。それでも十分業務を遂行できたという。だが最近では、証券取引が広く普及し投資家が増加していることや、インターネットの普及で情報が高速化したことにより値動きが激しくなり、それに伴って株式の売買が活発化していることなど、証券会社が処理する業務が著しく増加、複雑化している。さらに迫氏は、取引の形態が複雑化していることを指摘する。

「以前は、大口で発注していたものが、小口に分割され、1日辺りの約定件数は膨大になっています。発注のタイミングも不定期になっており、高性能なサーバーが必要なのです」


顧客からの評価に直結するためシステムの性能に妥協はできない

迫氏は、「取引に限らず、トレーダーの日常業務においても、システムの活用が不可欠になっています。例えば、1日の約定状況を顧客に報告する場合、顧客によっては取引が終了してすぐに報告を求められることもあります。約定件数が多数ある上、取引内容が複雑になると、手動では相当な時間がかかってしまい、約束の時間に報告をすることは不可能です。ですから、顧客ごとのレポートをシステムで自動化しなければ、対応できません」と、日常業務の実情を説明する。

証券取引における売買注文はもちろん、取引状況の集計報告、各種情報サービスの提供など、現在の証券会社が顧客に提供するサービスのほとんどがシステムに依存していることが理解できよう。「取引が複雑になっている上、情報提供など顧客に対する付加価値サービスの充実も求められています。しかも、いずれも“即時対応”が求められますから、システムの安定稼働はもちろんのこと、処理性能も重要になります」と迫氏は言う。

例えば、取引を管理するサーバの性能がトラフィックに対して十分でないと、トレーダーから売買注文を入力しても、実際に売買が完了するまでのタイムラグが大きくなってしまい、その間に株価が変動する恐れが生じる。現在、売買の指示は、証券会社のシステムから証券取引所のシステムにネットワークで送信する仕組みとなっている。その際、注文が集中すると、ネットワーク上でデータが処理待ちとなるなど、多少の遅延が発生してしまう。しかし、証券会社内のサーバの性能がトラフィックに対して充分であれば、それ以上の遅延を防ぎ、安心だ。迫氏は、「現在、ネットワークなどを介して、顧客から直接電子的に売買注文が出せるようになっていますから、システムの性能と信頼性は、証券会社の信頼そのものなのです」と語る。

富士通『PRIMEPOWER』のパフォーマンスが野村證券の高度な要望に唯一応えた

エクイティ企画室
次長
迫 尚宏氏

当然、野村證券が導入するネットワークやシステムには、非常にシビアな要件が求められることになる。野村證券では、証券取引システムを随時アップグレードしているという。「基本的に、プログラムは大きく変更しません。もちろん、状況に応じて機能を加えたりはしますが、基本的な部分は継承しています」と迫氏は言う。

しかし、プログラムをバージョン・アップすることで、処理効率を向上させるというアプローチもある。これに対して迫氏は、「当社では、処理効率はハードウエアの性能に比重を置くアプローチを取っています。そのため、プログラムはできるだけシンプルに設計しています。そうすることで、ハードウエアの性能がプログラムの処理速度に反映されますし、シンプルなプログラムの方が信頼性も確保しやすいのです」と野村證券の取り組みを説明する。

ブロードバンド・インターネットの普及により、顧客側のネットワークが高速化した現在、広帯域化したネットワーク上には瞬間的に大量のトラフィックが発生する。それを処理するサーバに、相当なパフォーマンスが求められるのは当然である。しかも、海外マーケットの情報提供など、24時間365日連続稼働という高いレベルの可用性も不可欠だ。

そこで野村證券では、システムの処理性能と信頼性向上を図るべく、サーバのリプレースを実施した。その結果、現在の野村證券の証券取引システムを『PRIMEPOWER』が担うことになったのだ。『PRIMEPOWER』は、Solarisが稼働するオープン系のサーバながら高い可用性を誇り、他を圧倒するパフォーマンスを備えている。

『PRIMEPOWER』は、64ビットCPUを多数搭載できるため、1台でサーバ数台分の処理をこなすことも可能だ。パフォーマンスに関しては、SAPの標準ベンチマーク・テストや、各種トランザクション・テストなどで世界最高クラスのスコアを記録するなど、その実力は広く知られている。

信頼性に関しても、富士通が長年携わってきたメインフレーム開発で培った技術とノウハウが注ぎ込まれている。システムの監視機能、CPUなど主要コンポーネントの冗長構成、クラスタ・システム、ホット・スワップなどにより、『PRIMEPOWER』は99.999%のハイ・アベーラビリティを誇る。


柔軟な運用・管理を可能にするPRIMEPOWER

迫氏は、「当社に限らず、業務や情報の電子化を推し進めると、サーバの台数が増加し続けます。さらに、電子化を高度化すると、サーバにはより高い性能が求められます。そのためには処理を分散させるといった方法がありますが、これ自体、サーバの台数増加の要因となります。サーバの台数が増えると、管理・運用が複雑になり、障害が発生する可能性も高まります。万が一、障害が発生したときの対処も難しくなるため、システム全体の信頼性を考えると、サーバの台数は少ない方がいいのです」と指摘する。

野村證券では、サーバの処理性能の向上と同時に、より高性能なサーバを導入することで台数を減らし、管理・運用を効率化したいという意図があったという。その結果、『PRIMEPOWER』が選ばれたのだ。

迫氏は、「当社では、富士通を含めて数種類のサーバが稼働しています。その中でも富士通のサーバは、パフォーマンス、信頼性、実績などで、以前より総合的に高く評価していました。そこで今回も、当社の要望を富士通さんに伝えたのです」とシステム増強の経緯を振り返る。

『PRIMEPOWER』の性能の高さに加えて、優れた拡張性も高く評価している。「トランザクションの増加の勢いは予測できませんから、サーバには常に余裕を持たせておくことが重要です。しかし、常に一定の余裕を持たせるとすれば、トランザクションの増加を見越して頻繁にサーバを増強しなければなりません。その点においてまず、『PRIMEPOWER』はCPUを増設できるため、トランザクションの増加に応じて容易にシステムの処理性能を増強することができます」と語る。

野村證券が導入した『PRIMEPOWER 850』は、最大16 CPU構成に対応するため、トランザクションの増加にマシンをリプレースすることなく、容易に、そして低コストでシステム全体の処理能力を向上させることができるのだ。

また、信頼性、可用性の点でも、『PRIMEPOWER』ならではの特長が活きているという。「PRIMEPOWERは、設定が難しいため導入しにくいクラスタリング構成が、容易に実現できるのも大きな魅力でした。複数台のPRIMEPOWERを導入してクラスタリング構成としているため、分散処理によるトランザクションの負荷回避が行え、信頼性の向上が図れました。また、フェイルオーバーによって、万が一マシンに障害が発生しても、システムを停止することなくスムーズな復旧対策が実施できます」と語る。

迫氏は、「現在、『PRIMEPOWER』を証券取引システムに導入していますが、今後は適用範囲を拡大して、分散しているサーバの統合化を随時検討したいと思っています」と、今後の計画を語る。『PRIMEPOWER』ならば、処理性能を高めながら、1台のサーバに複数のシステムを統合することが可能だ。その結果、設備の運用・管理、および将来的なリプレースにおいて、効率の良いシステム投資が実施できるのだ。こうした『PRIMEPOWER』の高いパフォーマンスと増強・拡張の容易さ、運用・管理のしやすさが、野村證券のシステムの発展を支え、さらには同社のビジネスの拡大および顧客の信頼向上に貢献していくことだろう。

会社概要

所在地〒103-8011 東京都中央区日本橋1-9-1
資本金100億円
事業概要野村證券株式会社は、持株会社である野村ホールディングス株式会社と、その傘下にある国内外の子会社で構成される「金融サービス・グループ」(野村証券グループ)の中核会社として、証券業務を行っております。
URLhttp://www.nomura.co.jp/