富士通

PRIMEPOWER本体装置は、(2008年5月に)販売終息いたしました。
なお、本製品の後継製品は、SPARC Enterpriseとなります。

各モデルの販売終息時期の詳細につきましては、「今までに発表した製品」をご参照ください。

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新プロセッサ「SPARC64 V」開発者からのメッセージ -ものづくりにかける想いと富士通の開発DNA-
2004年7月6日号

その処理性能の高さはもとより、優れたRAS性能(Reliability - 信頼性、Availability -可用性、Serviceability - 保守性)から、市場より高い評価を得ている富士通のUNIXサーバ「PRIMEPOWER」。そのPRIMEPOWERに搭載されているプロセッサ「SPARC64(TM) V」がこのたび、新技術の採用などによりさらなる進化を遂げました。そこで、新プロセッサがもたらすメリットや魅力、そしてその開発にかけた熱い想いについて、開発に携わった技術者が紹介します。

第二回 他社より一歩先を行く90nm プロセス技術

システム性能や信頼性を向上するために、プロセッサ開発者は多くの設計アイデアを生み出します。しかし、そのアイデアを限られたスペース内にうまく展開することができないと、製品として仕上がりません。つまり、設計アイデアに加えて、それを実現する確かな設計技術、製造技術が必要です。

連載の第二回目では、エンタープライズシステムの性能と信頼性を実現する製造技術のひとつ「90nm(ナノメートル) プロセス技術」にスポットを当て、その開発過程における苦労、実現に導いた富士通独自の最先端技術、そして今後のビジネス展開などについて紹介します。

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LSI事業本部
次世代LSI開発事業部
事業部長
久保田 勝久

90nmプロセス技術が持つ意味とその必要性
SPARC64 Vには90nmプロセス技術が使われているそうですが、どのような技術ですか。

半導体の世界では製造プロセスの微細化、すなわちより小さいトランジスタやそれをつなぐ配線をつくるために研究開発が進められています。現在、サーバ向けプロセッサに採用されているプロセス技術はほとんど130nm世代ですが、富士通ではその先の90nm世代を採用したプロセッサを今回発表しました。それが新しいSPARC64 Vです。

製造プロセスを微細化するメリットは主に2つあると思っています。ひとつは、これまでと同じスペースにより多くのトランジスタを載せられること(集積度の向上)です。トランジスタをたくさん載せられると、いろいろな機能を追加することができるようになります。

例えば、今回エンハンスをしたSPARC64 V の場合、製造プロセスを従来の130nmから90nmに変えたことで、CPUコア などの実装面積が小さくなりました。その分、2次キャッシュメモリの容量を従来の2MBから3MB(PRIMEPOWER HPC2500の場合4MB)に増やすことができたのです。

もうひとつは、微細化を進めることが性能向上に直接つながることです。簡単に言うと、トランジスタの中では電子が移動しており、性能を上げるためにはいかに速く電子をスタート地点からゴールに移動させるか、ということになります。個々のトランジスタが小さいと、トランジスタや配線が集まってできた回路も小さくなります。そして回路が小さいと電子の移動距離が短くなるので、電子は早く目的地に着くことができます。なんとなくイメージできたでしょうか。

90nm技術は、性能向上に欠かせない要素ということですね。

その通りです。ただし、単純に90nm技術を使えば良いというわけではありません。同じ90nmの技術でも、半導体メーカーによってスペックは異なります。一般的に、一世代新しくなると(例えば使用するプロセス技術が180nmから130nmに変わると)平均25%くらい性能が向上すると言われています。
さらに同じ90nmでも、富士通が研究開発した90nm技術と一般的な半導体メーカーの90nm技術を比較すると、当社の技術の方が性能が25%速いという結果が出ています。つまり、当社は一気に2世代分の性能向上を実現したということがいえると思います。

他にも富士通の90nm技術が他社に勝っている点はありますか。

最近、雑誌等で取り上げられている通り、技術の微細化に伴いリーク電流が問題になっています。リーク電流とは、本来流れるはずのないところに電流が流れてしまうことです。そのため、回路が動作していなくても電力を消費してしまいます。しかし当社は、リーク電流を一般的な半導体メーカーと比べて約1/5に抑えることにも成功しています。性能と消費電力で他社に大きく先行しているそのアドバンテージが、SPARC64 Vに生かされているのです。

表:90nm技術のベンチマーク結果
(他社メーカーを100とした場合の当社比)
項目 一般的な半導体メーカー
(90nm)
富士通(90nm)
性能(スピード) 100 125
動作パワー(注1) 100 75
スタンバイパワー(注2) 100 21

注1:回路が動作しているときの消費電力
注2:回路が動作していないときの消費電力

一口メモ:90nm(ナノメートル)ってどれくらいの大きさ?
90nmはどれくらい小さいものか、想像してみましょう。お米の大きさが約3mmくらい、髪の毛の太さが約80μm(マイクロメートル)です。90nmはさらに小さく、髪の毛の太さの約1/1,000くらいです。ウイルスの大きさが約100nmですから、90nmはウイルスより小さいのです。


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