富士通

柔軟性と拡張性に加え堅牢性を評価
次期基幹系システムにLinuxを採用


滋賀銀行本店
(滋賀県大津市)

滋賀銀行様 導入事例


滋賀銀行は、基幹システムを全面的に見直し、2008年1月までに刷新する。その一部である情報系システムは、現在メインフレームとUNIXサーバで構成しているが、新システムではインテル Itanium プロセッサーを搭載した富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を導入し、Linuxを使ったオープン・プラットフォームに切り替える。柔軟性、拡張性、堅牢性に加え、コスト・パフォーマンスも評価した。ミッション・クリティカルな分野でもオープン・プラットフォームを用いたシステム構築が進む中、安定稼働を最も重視する金融機関で採用され始めた。

[ 2006年10月31日掲載 ]

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導入の背景

滋賀銀行は、滋賀県大津市に本店を構え、近畿地方を中心に134店舗を擁する有力地方銀行である(写真)。地方銀行の中でもIT化に積極的に取り組み、メガバンクに比べてそん色ない。

ここ数年、郵政民営化やメガバンク重視の営業戦略などで、地方金融機関を取り巻く環境は急速に変化している。コスト削減のため、自行でシステムを運用することをやめ、アウトソーシングや共同センター利用へ移行する地方金融機関も少なくない。

こうした中で、滋賀銀行は今回も自前によるシステム見直しを図っている。再構築する情報系システムは勘定系のデータをレプリケーションし、経営強化に向けて容易にデータ抽出・加工が可能なデータベースとして活用するコンセプトである。

白紙の状態からシステム基盤を選定

次期基幹系システムはオープン化による開発生産性向上によって、新サービスの提供や経営戦略の立案を柔軟かつ迅速に行うことが狙いだ。現在メインフレーム・システムとUNIXシステムで別々に設置しているストレージは、最新のETERNUS 8000シリーズに統合することで資源の最適化、運用品質の向上を図るとともに、高い可用性と拡張性を実現する。

藤井実
取締役
システム部長

「頭取からアドバイスがあった3点、つまり白紙の状態でベンダーや製品を評価するという複眼的視点、技術革新に追従していけるものを選択するという動態的視点、長期にわたってシステムを企画するための人材育成という視点から、最終的に情報系システムについては、全面オープンへの切り替えを決めました。最終的にPRIMEQUESTの採用を決定したのは2005年5月のことで、開発がスタートしてから1年経過しましたが、順調に進んでいます」(藤井氏)

金融機関の基幹システムは、営業時間中に絶対に停止しない高い信頼性と可用性はもちろん、セキュリティやコンプライアンスに関する要求水準が他業種よりも高く、法規制変更など外的な要因によるシステムの変更も珍しくない。そうした厳しい条件下で、オンライン業務などの勘定系システムは最新機種のメインフレームに更改する一方、情報系システムはLinuxで再構築するという戦略的な決断を下した。具体的には、勘定系システムは富士通のメインフレーム最新機種である「グローバルサーバ GS21 500」へ更改する。メインフレームとUNIXで構成されている情報系システムには「PRIMEQUEST 580」を導入し、LinuxとOracleによるオープン環境に切り替えることを決めた。そのためにまず、開発機として2006年1月にPRIMEQUEST 440を導入した。本番機であるPRIMEQUEST 580(2台)は、2007年1月に導入の予定だ。

「新システムに移行するにあたり、勘定系は現在極めて安定稼働しているシステムをそのまま稼働させることが将来的な選択肢を広く残すためにベストな選択であり、また安全面やコスト面で最も有利と考えました。一方、情報系に関しては、現在UNIXでOracleによって構築されている戦略的に優れたDBM(Data Base Marketing)システムを生かすことにしました。デファクト・スタンダードであるOracleとLinuxを組み合わせたオープンな基盤にしたのは、特定のベンダーに縛られずに、IT資産の保全という大きなメリットを得られるためです」(藤井氏)。


MFと同等の信頼性を確保

岩崎博
システム部
副部長

Linuxによるオープンな環境を採用した背景には、UNIXで構築した現行のシステムが抱えている問題の解決という大きな狙いもあった。「UNIXもオープンとは言えベンダーごとに異なっているため移植性に難点があります。また、現行システムは運用系と待機系のシステム構成が異なるためトラブル時に性能が劣化したり、機能追加も柔軟に行えないなどの問題が生じていました」(岩崎氏)。Linuxによるオープンな環境にしておけば、その時代ごとに最も可用性/拡張性が高いプラットフォームに容易に移行し、性能劣化などの問題は解決しやすくなる。

こうした条件を満たすため滋賀銀行は基幹IAサーバに着目した。ベンダー各社からさまざまな基幹IAサーバが提供されているが、その中でPRIMEQUESTを選択した理由を藤井氏は次のように説明する。「特定のベンダーに依存しないオープン基盤を採用する方針の中で、最終的にPRIMEQUESTに決めたのは、メモリのミラー機能やCPU故障時の待機システム・ボードへの自動交替機能などによるメインフレームと同等の信頼性、最大64コアまでの拡張性、サービス・プロセッサやミドルウェアによる運用最適化などの点を総合的に評価したからです」(藤井氏)。

このほか、他のユーザー企業における導入実績から、滋賀銀行が運用を開始するまでにさまざまなノウハウが富士通側に蓄積され、滋賀銀行に提供されるだろうとの期待もある。

メインフレームであれば10年間という長期運用も珍しくないが、技術の陳腐化が著しい基幹IAサーバでは5年程度が一般的だ。滋賀銀行はPRIMEQUESTを中心に据えて拡張していけば、十分な処理能力を10年間にわたって確保できると判断した。「経営戦略上、新システムは財産であるデータベースを拡張し今後10年間使い続けられる基盤とする、ということが基本でした」(藤井氏)

長期間の運用を考えると、ハードウェアの性能、拡張性だけでなく、OSやデータベース、ミドルウェアの継続性も重要となる。この点について、藤井氏は「メインフレーム主体の勘定系システムが10年後にLinuxに置き換わっているかどうかは分かりませんが、基幹システムの周囲にある多数のシステムではLinuxが主流になる可能性は高いと思います。新システムのプラットフォームを検討している際も部門ごとにさまざまな考え方がありましたが、市場動向や技術動向、将来性など複合的に考慮した結果、Linuxの採用が最も妥当であると判断しました」と明かす。


システム概要

新しいシステムの構成

システム構成図

オンライン業務などの勘定系システムはメインフレームの最新機種「グローバルサーバ GS21 500」へ更改する。一方、メインフレームとUNIXで現在、構成している情報系システムには「PRIMEQUEST 580」を導入し、LinuxとOracleによるオープン環境に切り替える。PRIMEQUESTはバッチ/ODS(Operational Data Store)層とオンラインDB層の2パーティション構成。クラスタ・ソフトウェア「PRIMECLUSTER」に加え、オンラインDB層には「Oracle RAC 10g」を適用し、2台のPRIMEQUESTで勘定系システムに劣らぬ可用性を確保する。


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