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3キャンパスに分散した約20台のサーバを仮想化で統合


東京電機大学校舎

学校法人 東京電機大学様 導入事例


インフラ系サーバの再構築をPCサーバ・Linuxと仮想化ソフトウェア(VMware)による統合でTCOを大幅削減しました。
加えて、システムの可用性と拡張性の向上、および運用管理の大幅な効率化を果たしました。

[ 2007年2月27日掲載 ]



 導入の背景 |  導入の経緯 |  システム概要 |  今後の展望 

導入事例概要
業種: 文教
ソリューション: 仮想化ソフトウェア(VMware)によるサーバ統合
製品: PRIMERGY RX600 S2 / ETERNUS3000 モデル500
VMware ESX Server / VMware VirtualCenter
構築期間: 4ヵ月

「PCサーバLinuxで仮想化ソフトウェア(VMware)によるサーバ統合を実現」

東京電機大学では、東京、千葉、埼玉の3キャンパスそれぞれに構築していた、ネットワークサービスのインフラ系サーバの再構築 を実施しました。
3拠点で約20台の既存サーバを仮想化ソフトウェアによる統合で、1拠点12台のPCサーバ(PRIMERGY RX600 S2)と1台のディスクアレイ(ETERNUS3000 モデル500) で構成、システムの可用性と拡張性の向上、そして運用管理の大幅な効率化を果たしました。
大学における大規模な仮想化によるサーバ統合としては先駆的な試みとなる今回の事例に、他大学 の情報システム関係者からは熱い視線が注がれています。

課題と効果
1 TCO削減 システムの拠点集約とサーバ統合によるサーバ数の大幅減
2 業務停止のない可用性の向上 運用を停止させない、仮想化ソフトウェアのVMotion機能の実現や物理サーバへのサービス配置
3 システムの拡張性・柔軟性の確保 仮想化システムによる仮想マシンの容易な追加やロードバランスによるシステム構成

本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

インフラ系サーバシステムの再構築、TCOの削減にサーバ統合を検討

佐藤 龍
学校法人 東京電機大学 総合メディアセンター 課長

東京電機大学(以降TDU)は、「技術は人なり」という教育・研究の理念を掲げた日本有数の理工系総合教育・研究機関の名門大学です。同校では東京・神田のほか、埼玉県と千葉県の3キャンパスそれぞれでインフラ系サーバシステムを構築していました。
各キャンパスには、UNIXサーバ、NAS、バックアップ用テープ装置で構成され、トラブルのたびに夜間でも管理者が現場に出向くなど運用負担が問題となっていました。加えて、その後に学科や学部で増設したサーバの管理・運営などの運用負担が表面化してきました。
現システムのリースアップを迎え、2005年春から再構築の検討を開始しました。

インフラ系サーバシステムの再構築では、少子化による学生数の減少などの社会環境の変化もあり、最大の課題はTCO削減でした。その解答が3キャンパスに構築されたシステムの1拠点集約化と集合したサーバの統合でした。TDUでは、2005年に各キャンパス間を結ぶネットワークがオンデマンド遠隔授業の配信で500Mbpsへと増強されたことから、ネットワークインフラは整備されており1拠点化への集約はできると判断しました。もう一方の課題である、サーバ統合を“仮想化システム”に解を求めました。

TDUでは、以前からパソコンの仮想化ソフトウェアであるVMware Workstationを学内の総合メディアセンターなどで使用しており、仮想化への抵抗もなくそのメリットと可能性に手ごたえを感じており、サーバで利用しても問題はないであろうと想定し仮想化システムの検討に入りました。

「当初は仮想化システムを3キャンパスそれぞれに導入しようとの構想でした。しかし予算の都合もあり、ちょうどキャンパス間の通信速度が500Mbpsになって、アクセス性能も十分確保できたので1ヵ所に集めることにしました。」(佐藤氏)

導入の経緯

仮想化ソフトウェアには多くの導入実績のあるVMwareを選択

橋本 明人
学校法人 東京電機大学 総合メディアセンター 技師

TDUでは、サーバ統合の実施に際して仮想化ソフトウェアをいろいろ比較しましたが、サポート体制が整っていること、それに業界標準的なポジションで導入実績が豊富なVMware ESX Serverを選択し評価を開始しました。
まず、想定したLinuxのWEB系アプリケーションがVMwareで動作するのか。サイジングツールにより現状サーバの使用率などを分析し、その結果、従来のSolarisサーバ約60台分がおよそ12台のLinuxのPCサーバに統合できることを確認しました。このツールによって得られたデータの検証を富士通のPlatform Solution Center(PSC)で実施しました。
初めの2週間はVMwareの習得と簡単な動作確認、そこで得られたデータをもとに、さらに2週間実機を使い仮想マシンとアプリケーションで検証を実施し動作の確信を得ることができました。特に導入後の運用管理を容易にする機能としてVMotion機能に強く引かれました。VMotion機能とは、別の物理サーバに仮想マシンを容易に移し替える機能で、サーバのメンテナンスをする場合や物理サーバのトラブルで機能しない場合や、設定変更でサーバをリブートする必要がある場合などに、サービスを停止することなく実施できる優れた機能です。

「本インフラ系サーバシステムは、前システムで採用したストレージが5年間一度も故障しなかった、実績ある富士通にお願いしました。
富士通は、我々のシステム環境をよく把握してくれていることと、トラブルが生じた場合など故障原因を細部まできっちり究明してくれるという信頼感も加味して富士通の総合力に期待がありました」(橋本氏)

システム概要

PCサーバ12台の物理サーバに80台の仮想マシンで運用

東京電機大学工学部外観

検討で特に時間を要したのは、サーバとSAN接続されているディスクアレイのストレージ構造設計でした。VMotion機能を利用するための仮想マシンの配置設計や、ストレージが持つバックアップ機能を利用するためのデータ領域設計などです。基本構築をしっかりやることでスムーズに運用に入ることができるようになりました。
仮想化システムの導入からサービス開始までの構築・移行に要したリードタイムはおよそ3ヵ月で、データ移行作業は比較的負荷が軽い夏休みに各キャンパスにある既存サーバをWAN接続でデータを順次コピーする手法で、通常サービスを停止することなしに実施できました。

「移行作業自体は、仮想マシンに移行するアプリのコンフィグレーション をコピーしただけで簡単でした」(橋本氏)

最終的にTDUが構築した仮想化システムは、Solarisサーバの旧資産を、コストパフォーマンスの優れたPCサーバPRIMERGY RX600 S2を12台とディスクアレイETERNUS3000 モデル500とで構成され、仮想ソフトウェアVMware ESX Server上に約80台のRed Hat Linuxベースの仮想マシンで運用されるものとなりました。
この仮想化システムではwebで標準的なApache、PostgreSQL、Postfix、DHCP、BIND、NTP、Interscan、DeepMailなどのアプリケーションが動作しています。
PCサーバの故障対策として、同じ物理サーバ上にApacheの仮想マシンを複数配置せずに、異なる物理サーバに分散させるように配置して「サービスの継続性」を確保する設計をしています。
また、VMotion機能で可用性を高めるために、SANを各物理サーバマシンから共有で見えるように設計しています。

大学は夜間も処理を継続している研究者がおり、システム停止は事前に学内に通知を出す必要があるのですが、VMotion機能によりシステム停止が不要となり、365日24時間の稼動が実現できました。また、PCサーバのフロントにロードバランサーを配置してネットワークの仮想化を行い、PCサーバがダウンしてもサービスを別のサーバに処理を振り分けることで、サービス全体の停止が無い高信頼なシステムとしています。

サービスを開始した初期段階で、一部のVMware ESX Serverが応答しなくなるというトラブルが発生しましたが、最終的にSCSIインターフェースのファームウェアのバージョンが古かったことが原因と分かり、速やかに解決されました。この経緯については、TDUの橋本氏は「新しいシステム構築では100%トラブルを排除することは難しいですから、原因究明が完全に行われ、適切に対応できた点を高く評価しています」と前向きの評価を下しています。

データバックアップ作業を大幅に効率化

ストレージを統合したメリットであるバックアップ作業の効率化についても、TDUではDisk to Disk to Tapeの運用で大きな成果をあげています。日常処理では、ディスクアレイにあるボリュームの大きなメールのスプールは、ETERNUS3000のOPC(one point copy)機能を使ってコピーした後に、仮想テープライブラリにバックアップします。その他のデータ領域は、仮想テープライブラリに直接書き込む方法で処理しています。仮想マシン自体もスナップショットでそのままディスク領域にバックアップしており、これら一連の作業は、毎日パフォーマンス状況に合わせて自動処理しています。

「毎日、パフォーマンスをみて適宜処理していますが、2~3時間で終わっています。できる限り人の手をかけずに、気がついたらバックアップがとれているような設計にしています」(橋本氏)

仮想マシンの追加もVMotion機能によりサービス停止なしで実現

仮想化システムでは、容易に仮想マシンを増やせるというメリットがあります。TDUでもこの利点を最大限に活用しており、橋本氏は「ニーズに応じて仮想マシンが増やせますし、増やした仮想マシンには保守契約がいらないのでコスト削減にも貢献します」と、仮想化のメリットを率直に語っています。
また、「仮想マシンの拡張等でVMware ESX Serverの設定を変更した場合、VMware ESX Serverをリブートする必要があるのですが、仮想マシンを別の物理サーバへ移動して、リブート後また元に戻すという作業により、サービスの停止なしに拡張できます。VMotionは素晴らしい機能です。」と橋本氏は高く評価しています。

今後の展望

サービス拡大に応えうる拡張性と柔軟性の仮想化システム

現在、TDUでは学内にWEBサイトを独自で構築・運営している学部や研究室などのサーバが増え、管理者の運用負荷によって満足な管理ができていない場合があり、これら部門へのホスティングサービスなどの新たな需要もあります。今回導入した仮想化システムで、管理部門にて一元管理され、安心・安全で、管理負荷も削減するなどTDU全体の運用管理の効率化が図れ、TCOの削減に寄与できる、拡張性と柔軟性を兼ねたシステムとも言えるでしょう。

「今回のインフラ整備をもとに、新たなサービスの提供や、現在構想中の学生サービスの充実と事務作業の効率化を実現する富士通のSyllabus(シラバス)パッケージなどのサービスや、Windows VISTAなど新しいソフトウェアのテスト環境、導入環境としても仮想マシンによるサーバ統合環境を活用して行きたいと思っています。将来的にはデータセンターへアウトソーシングすることも視野に入れており、その前段階と位置づけています。」(佐藤氏)

TDUにおける今回の仮想化によるサーバ統合は、大手私立大学の間でも先駆的な取り組みとして注目を集めています。橋本氏によれば関係者のセミナーで話をすると必ず仮想マシンのプラットフォームについて質問が集中するとのことで、仮想化によるサーバ統合という選択に自信を深めています。
TDUの仮想化によるサーバ統合の成功事例は、他大学のシステム再編にも今後大きな影響を及ぼすことになりそうです。


学校法人 東京電機大学様 概要

神田キャンパス 東京都千代田区神田錦町2-2
鳩山キャンパス 埼玉県比企郡鳩山町石坂
千葉ニュータウンキャンパス 千葉県印西市武西学園台2-1200
小金井キャンパス 東京都小金井市梶野町4-8-1
創立 1907年9月11日(明治40年)
在校生数 11,748名(2006年2月現在)
概要

科学技術を学ぼうとする者に広く門戸を開き、最新の電気・機械の技術者を養成するべく1907年に東京・神田に創立された電機学校が前身。「技術は人なり」を理念とする技術教育のパイオニアとして、産業界に有為な人材を幅広く送り出している。
2007年9月11日 創立100周年
2007年4月より未来科学部新設予定(神田)

TDUの校章TDUのロゴ

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【導入事例(PDF版)】


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