アプリケーション分離環境
本ページでは、サーバベース・コンピューティングシステム上でアプリケーションが問題を発生させる主な原因と、Citrix Presentation Serverのアプリケーション互換性強化について説明します。
注意)
実際のシステム構築設計にあたっては、動作保証の必要性から、アプリケーション開発元へ動作確認と、システムの動作検証が必要となります。
アプリケーション動作に問題が生じる理由
Citrix Presentation Serverは、1台のサーバに複数のユーザがログオンして使用するマルチ(複数)ユーザ環境です。マルチユーザ環境では、サーバにある資源(CPU、メモリ、ハードディスク等)を複数のユーザで共有して使用します。
サーバ上でのクライアントアプリケーションの動作問題は、主にアプリケーションがマルチユーザ環境に適合していないために発生します。
複数ユーザによるファイル書き込みの競合
「C:\Program Files\sampleapp\setting.ini」のように固定されているファイルに設定情報を書き込むアプリケーションでは、複数のユーザが自分の設定を1つのファイルに書き込もうとします。このとき「一人のユーザがファイルを開くと他のユーザがファイルを開けずエラーが出る」あるいは「一人のユーザの設定変更が他のユーザにも反映されてしまう」と言った動作の不具合が生じます。
複数ユーザによるレジストリ情報の競合
各ユーザ毎に独立して保存されるべきユーザ個々の設定情報が「HKEY_LOCAL_MACHINE」レジストリに保存されると、ユーザ間のレジストリ情報の競合が発生します。このとき「一人のユーザの設定変更が他のユーザにも反映されてしまう」という動作の不具合が生じます。
一般ユーザ権限の制限によるアクセス拒否
マルチユーザ環境では、ユーザの操作が他のユーザの環境に干渉しないよう、各ユーザの権限を一般ユーザ(制限ユーザ)として運用します。
一般ユーザの書き込み・変更を許していないフォルダ(例:Program Files)上のファイルへ書き込み/変更を行うようなアプリケーションでは、ファイルを開こうとした時点でエラーが発生します。
アプリケーション分離環境の提供
Citrix Presentation Server の Enterprise Edition Enterprise Edition では、「アプリケーション分離環境(AIE:Application Isolation Environment)」と呼ばれる機能が提供されました。
この機能は、上で説明したような「マルチユーザ環境に適合していない」アプリケーションを、アプリケーションを改変することなくCitrix Presentation Server側の動きによってマルチユーザ環境に適合させるものです。
注意)
この「アプリケーション分離環境」は、アプリケーションを確実に動作させることを保証するものではありません。
アプリケーション分離環境は、ユーザ毎に独立した仮想的なファイルシステムとレジストリ領域を用意します。アプリケーションが特定のファイル/レジストリに書き込みを行うとすると、そのファイル/レジストリを自動的にユーザ毎の仮想ファイルシステム/レジストリ領域にコピーし、以後その仮想ファイルシステム/レジストリ領域上にアクセスさせることで、ファイル/レジストリの競合を回避します。
また、アプリケーションごとに仮想ファイルシステムを用意できるため、異なるバージョンのVBランタイムやDLLを使用することも可能になります。
アプリケーション分離環境によってすべてのアプリケーションが動作することを保証するものではありませんが、Windows95 / 98のみに対応した多くのカスタムアプリケーションでもWindows Server 2003上で動作することが確認されています。アプリケーションの寿命延長の観点でも効果的です。

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