PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.2

動作環境:SPARC Enterprise, PRIMEPOWER, S series

| 概要 | 機能説明 | システム構成 | 商標について | 他のソフトウェア |
PRIMECLUSTER Enterprise Editionは、並列データベース・HA(切替え)などの豊富なクラスタ機能と、ボリューム管理機能、共用ファイルシステム機能、ネットワーク多重化制御などシステム全体を高可用化する機能をセットにした高信頼基盤ソフトウェアです。
【セールスポイント】
- 自律制御によるシステム全体の高信頼化を実現、動作可能時間の最大化
PRIMECLUSTERは、サーバ、ストレージ、ネットワークといったシステム基盤を構成する要素の高信頼化を実現します。ハードウェアからミドルウェア、アプリケーションまでシステムの重要な資源の故障自動検出、高速縮退、フェイルオーバなどの自律制御により、安全に業務を継続することができます。また、定期保守、システムの構成変更などの計画停止時も、動作中の資源へ影響を与えずに作業ができるため、サービスの動作可能時間が飛躍的に向上します。
- サーバ運用の継続
- Symfoware Parallel Cluster OptionやOracle9i Real Application Clusters、Oracle
Real Application Clusters 10g(以下 Oracle RAC)との連携により、並列データベース環境での可用性と拡張性を両立します。
- PRIMEPOWERのシステム監視機能と連携したサーバダウンの即時検出やホットスタンバイ機能により、わずかな停止時間で業務の運用を再開できます。
- データアクセスの継続
- ディスクのミラーリングにより、システムディスクや共用ディスク上のデータをディスクの故障などから保護します。
- 複数サーバからのアクセス制御により、操作ミスからデータを保護します。
- SAN(Storage Area Network)環境において、共用ファイルシステムを実現します。
- ネットワークアクセスの継続
- 複数の伝送路を仮想化し、故障発生時でも通信を継続します。
- 多重化した伝送路を同時に使用することで帯域の向上がはかれます。
- 統合管理による運用性/保守性の向上
サーバ、ストレージ、ネットワークなどを、物理的な配置を意識することなく、一つのシステムとして統合的に、統一したGUI(Graphical User
Interface)で管理することで、大規模化、複雑化するシステム全体の運用性、保守性が向上します。
ISV/IHVパートナー各社とのグローバルな協調関係による豊富な高信頼ソリューション
富士通のミドルウェア、UNIXサーバ「PRIMEPOWER」、ストレージ「ETERNUS」との組合せによる高信頼/高可用ソリューションはもちろん、ISV/IHVパートナー各社(EMC、日立、IBM、NetApp、Oracle、SAPなど)とのグローバルな協調により、お客様のニーズにあわせた豊富なクラスタソリューションが提供できます。
- 富士通S seriesに対応
PRIMEPOWERに加え、富士通S seriesにも対応します。
※ InfiniBandは、InfiniBand® Trade Associationの商標です。
【機能概要】
PRIMECLUSTER Enterprise Editionは、以下の製品の機能をすべて包含しています。さらに、Symfoware Parallel
Cluster OptionやOracle RACを使用した、並列データベースソリューションを提供します。
クラスタ制御
- Symfoware Parallel Cluster OptionやOracle RACとの連携による、並列データベースソリューションを実現
- アプリケーション、ノード(クラスタシステムを構成する各サーバ)などの高速異常検出と、安全/確実な高速フェイルオーバによる高可用なHA(切替え)型クラスタを実現
- 簡易化された導入/運用管理
- パーティション間クラスタにより、高可用性、省スペースを両立したシステム構築が可能
- DR(Dynamic Reconfiguration)機能、PHP(PCI Hot Plug)機能を利用した無停止保守
- 業務の規模や種類に応じて様々な運用形態を選択可能
ストレージ制御
- ボリューム管理(Global Disk Services:以下 GDS)
- ソフトRAID機構
- ディスク装置のミラーリング
- システムダウン後にミラーリング状態を高速に回復する差分コピー機能
- ディスク故障時にミラーリング状態を自動的に回復するホットスペア機能
- 大容量ボリュームが作成可能なコンカチネーション
- ディスクへのアクセス負荷を分散するストライピング
- ボリューム管理機構
- 複数サーバからの共用ボリューム管理
- 複数サーバごとにアクセス権限を設定可能
- オンラインボリューム拡張機能
- ディスク保守
- ファイルシステム(Global File Services:以下 GFS)
- マルチボリュームファイルシステム
- 複数のボリュームにまたがった大規模なファイルシステムを構築可能
- 業務を停止せずにファイルシステムのサイズを拡張可能
- 高速ファイルシステム
- 複数のサーバからファイル・プログラムを同時に共用する、LANに負荷を与えないSAN直接アクセスが可能なファイルシステムを実現
- 高速リカバリ機能によりフェイルオーバ時間を短縮
ネットワーク制御(Global Link Services:以下 GLS)
- 多重化した伝送路を仮想化し、故障発生時でも通信を継続
- 多重化した伝送路を同時に使用し、負荷分散と帯域向上を実現
- 異機種間の伝送路冗長化など多彩な接続形態をサポート
- IPv6アドレスを使用したネットワーク冗長化をサポート
【機能詳細】
クラスタ制御
- 並列データベース
Symfoware Parallel Cluster Option
PRIMECLUSTERの高可用スケーラブル型運用形態を利用したSymfoware Parallel Cluster Optionにより、可用性と拡張性を両立する並列データベースを実現します。また、ノードダウン時にも待機サーバでその処理を引き継ぐことで、全体の処理能力を維持することができます。
- Oracle RACとの連携
TCP/IP層をバイパスした専用プロトコル通信方式と複数の通信路をラウンドロビンで使用することにより、高速・低レイテンシなノード間データ通信を可能にします。これによりOracle
RACのキャッシュ・フュージョン(高速ノード間通信により、各サーバのバッファ・キャッシュを同期させるアーキテクチャ)の高速化、高信頼化を実現します。また、PRIMECLUSTERの強力な異常検出機能と連携し、ノード異常時にも高速に縮退し業務を継続することができます。
このように、PRIMECLUSTERとOracle RACにより、高い可用性とノード数に比例したスケーラブルな並列クラスタ環境を実現します。
- 並列データベースの運用管理
各ノードで動作するデータベースのインスタンス等を一括で起動/停止することができます。また、並列データベース全体を一元的に監視/管理することができます。
- HA(切替え)型クラスタ
- 非同期監視機能によるサーバ異常の即時検出
PRIMEPOWERのシステム制御インタフェースのSCF (System Control Facility)、XSCF(eXtended System
Control Facility)およびRCI (Remote Cabinet Interface)と連携した非同期監視機能により、ノードの異常を即時に検出します(PRIMEPOWERのみ)。さらに、リモートコンソール接続装置(RCCU:Remote
Console Connection Unit)による非同期監視機能と組み合わせることで、監視機能を冗長化することができます。
- ハートビート監視
複数のクラスタインタコネクトを使用し、Solaris (TM) Operating System(以下Solaris
OS) のカーネル空間とユーザ空間の二重のハートビート監視で、サーバダウン/ハングアップなどの異常を確実に検出します。
- アプリケーション異常監視
クラスタシステム上で動作するアプリケーションプログラムの生死を監視することができます。各ミドルウェアごとのクラスタ対応製品(PRIMECLUSTER
Wizard for Oracle, PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker, PRIMECLUSTER Wizard
for Netcompo等)を使用することで、より高度な異常監視ができます。
- ストレージの異常監視
ボリューム管理機能と組み合わせることで、ディスク故障やディスクアクセスパスの故障を検出することができます。
- ネットワークの異常監視
業務LANのネットワークアダプタや経路の故障を検出することができます。
- 異常ノードの確実な停止
定周期監視でサーバのハングアップ/スローダウンを検出した場合、複数の経路(SCF/RCI、RCCU、XSCF)で異常ノードを確実に停止し、共用データの保全を実現します。
- 業務のフェイルオーバ
各種の異常を検出すると業務が待機ノードにフェイルオーバ(自動的にユーザ業務が運用系から待機系へ処理やデータを引き継ぎ)します。フェイルオーバ時には、アプリケーションに加えて、共用ディスク、IPアドレス、MACアドレス、ノード名等が引き継がれます。
- ホットスタンバイ機能による高速フェイルオーバ
ホットスタンバイ機能は、運用系の異常発生後に待機系でデータ引継ぎや業務アプリケーションの起動を行う一般的なスタンバイ形式とは異なり、待機系で事前に業務再開の準備を整えておく機能です。SymfowareやInterstageなどのソフトの起動、共用ディスク装置の事前オープン、アプリケーションの起動までを完了しているため、即座に業務が再開可能な状態でスタンバイしており、業務再開までの時間を大幅に短縮できます。
また、Symfoware Parallel Cluster Optionのフラッシュトリートメントリカバリ機能との連携により、データベースのリカバリ時間を短縮し、大規模なデータベースサーバにおいても数十秒オーダでのフェイルオーバを実現します。
- クラスタインタコネクトによるノード間通信
CIP(Cluster Interconnect Protocol)機能により、クラスタのインタコネクトを標準的なTCP/IPインタフェースでアプリケーションから使用できます。インタコネクトにはFast
Ethernet、Gigabit Ethernetが使用できます。
- クラスタインタコネクト故障への対応
クラスタインタコネクトの故障により、クラスタを構成するサーバ間の分断が発生した場合、ポリシー設定に基づいて故障したノードを切り離し、業務を継続します。
- パトロール診断(PRIMEPOWERのみ)
待機ノードの共用装置(ディスク装置、LAN)について定期診断を行うパトロール診断機能により、待機ノードの故障による切替えの失敗を未然に防ぐことができます。
- 自動構成チェック
クラスタシステムを構成するハードウェア(共用ディスク装置)を起動時に認識する自動構成チェック機能により、各ノードが正常に動作することを確認できます。
- 導入/運用管理の簡易化
- 複数ノードへのインストールの簡易化
あらかじめ設定したソフトウェアのインストール情報にしたがって、クラスタを構成する複数のノードにOS、各種ドライバ、ESF(Enhanced
Support Facility)、各種ソフトウェア、PRIMECLUSTERのインストールを行うことで、クラスタシステムの導入が容易になります。
- クラスタ構成を容易に設定
- 簡易なクラスタ構成設定
メニュー操作により、クラスタシステムの構築/構成変更ができます。
- きめ細かなポリシー設定
フェイルオーバの条件、障害発生時のリカバリの方法、アプリケーションの起動/停止の際に使用するスクリプトなど、クラスタ構成のきめ細かな設定が可能です。
- WebベースのGUIによるクラスタシステムの管理
- WebベースのGUIによる集中監視と運用操作(Web-Based Admin View)
クラスタシステムの状態をリアルタイムに表示します。
また、クラスタシステムの運用および保守操作を簡易化します。
- クラスタシステムの集中管理(RC2000)
コンソールに出力されるメッセージをクラスタコンソールで集中管理し、システムの運用管理性を向上させます。また、ソフトウェアのインストール、パッチの適用、リブートなどのソフトウェア保守作業を可能にします。
- パーティション間クラスタ (PRIMEPOWERのみ)
PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500は、パーティション機能により一台のPRIMEPOWERを複数のシステム(パーティション)に分割できます。
- 本体装置間パーティションクラスタ
複数パーティション構成の本体装置を相互接続してクラスタ運用する形態です。分散したサーバの統合により、TCOを削減し、高可用、省スペースのクラスタシステムを構築できます。
- 本体装置内パーティションクラスタ
本体装置内の複数パーティション間でクラスタを構築する形態で省スペースのクラスタ運用が可能です。同一本体装置内で複数のクラスタシステムを構築可能です。

- DR機能、PHP機能を利用した無停止保守 (PRIMEPOWERのみ)
クラスタ運用においてDR機能、PHP機能を利用することで、より可用性の高い保守運用を実現します。
- DR機能
業務を停止せずにメモリ/CPUを搭載したシステムボードの交換、増設、およびパーティション間移動ができます。
利用可能な機種はPRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500です。
- PHP機能
Solaris OSへのPCIカード追加(組込み)および取外し(切離し)をシステムを再起動せずに行えます。
利用可能な機種はPRIMEPOWER 450(ペディスタル/ラックマウントタイプ(7U))/900/1500(SPARC64 V搭載モデル)/2500です。
豊富なクラスタ運用形態
代表的なクラスタの運用形態を以下に示します。
また、これらの運用形態を組み合わせた複合型運用形態も可能です。
- スケーラブル運用 (並列データベース)
- スケーラブル
複数の運用ノードで構成され、すべてのノードで業務を並列に処理します。いずれかのノードで異常が発生した場合には、異常ノードを切り離して業務を継続します。
本運用形態では、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態はOracle
RACで使用します。
- 高可用スケーラブル
複数の運用ノードと、一台以上の待機ノードで構成され、すべての運用ノードで業務を並列に処理します。いずれかの運用ノードに異常が発生した場合には、待機ノードで業務を引継ぎ、業務を継続します。
本運用形態では、一台の運用ノードが異常になっても、フェイルオーバによりクラスタシステム全体の処理能力が維持できます。また、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態はSymfoware
Parallel Cluster Optionで使用します。

- スタンバイ運用
- 1:1運用待機
待機ノードが、運用ノードの異常に備えて待機します。異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力が低下しません。
- 相互待機
各ノードが互いに待機ノードを兼ねながら業務を行います。一方のノードで異常が発生した場合には、もう一方のノードに業務が引き継がれます。本運用形態では、通常運用時にすべてのノードを活用できる反面、異常時には、1つのノードで両方の業務が動作するため、両方の業務が動作可能な資源を見積もる必要があります。
- N:1運用待機
運用ノードを複数配置し、それぞれの待機ノードを一つ配置します。運用ノードに異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力は低下しません。複数の運用ノードに対して1台の待機ノードを用意するだけで済むため、コストパフォーマンスの高いクラスタシステムを構築できます。
- カスケード
1つの運用ノードに対して複数の待機ノードを定義できます。1つのノードが停止した後も、残りのノードで業務の冗長構成がとれるため、定期保守などの間も可用性を保つことができます。
- 移動待機
N:1運用待機の構成において、故障から復旧したノードを組み込むと、自動的に待機ノードとして機能します。故障から復旧した際に切り戻しを行う必要がないため、復旧時にも業務が継続できます。
- N:M運用待機
複数の運用ノードと、複数の待機ノードで構成されます。運用ノードの一台に異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードの一つにフェイルオーバします。一台の運用ノードに異常が発生してフェイルオーバしてもまだ待機ノードが存在するため、冗長性を維持することができます。
ストレージ制御(ボリューム管理)
ストレージ制御(ファイルシステム)
ネットワーク制御
伝送路二重化機能
伝送路二重化機能では、複数のNIC (Ethernetカード) を束ねて1つの仮想的な論理インタフェースを生成し、このインタフェースに仮想的なネットワーク番号を割り付けます。PRIMECLUSTER
GLSを利用するTCPアプリケーションは、この仮想ネットワークを通して通信を行うことにより、冗長化した伝送路の構成や、伝送路上で発生したネットワーク障害を意識することなく、業務を行うことができます。
さらに、PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500、およびGP7000Fモデル1000/2000が提供するDR (Dynamic
Reconfiguration) 機能に対応しており、DR機能に連動してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI
Hot Plug機能についても対応しています。
なお、DR機能に連動したNICの追加/削除/交換は、伝送路二重化機能をシングルシステムで運用している場合にのみ行うことができます。
PRIMEPOWER 900/1500/2500において、DR機能を使用して活性交換を行う場合、システムボードのメモリ使用状態により活性交換を制限される場合があります。詳細については、ESF(Enhanced
Support Facility)のマニュアル「Dynamic Reconfigration ユーザーズガイド」、および「PRIMECLUSTER
DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド」を参照してください。
冗長化した伝送路の制御方式には、以下の4つがあります。
高速切替方式:同一ネットワーク上のSolaris OSサーバ間の伝送路多重化
高速切替方式は、PRIMECLUSTER GLS自身の方式により伝送路を制御します。本方式では、多重化した伝送路を同時に使用し、障害発生時は該当の伝送路を切り離して縮退運用します。本方式で多重化した伝送路上でIPv6アドレスを使用することも可能です。さらに、タグVLAN(IEEE802.1Q)運用を行う構成で使用することも可能です。多重化した伝送路をPRIMECLUSTER
GLS自身が制御するため、障害を早期に検出することが可能ですが、通信可能な相手装置はPRIMEQUEST、PRIMERGY、PRIMEPOWER、GP7000F、富士通
S series、GP-Sに限定されます。また、ルータを超えた別ネットワーク上のホストとの通信には利用できません。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
PRIMEPOWER、GP7000F、富士通 S series、GP-S、Linuxサーバ |
| 動作可能アプリ |
TCPアプリケーション全般 |
| 転送データの分散方式 |
相手/自ポート分散:
通信するアプリケーションの自ポートと相手ポートを元に送信先NICを決定し、送信データを分散します。 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
専用フレームの送受信による監視を行い、障害を検出した伝送路は切り離して縮退運用します。 |
| 切替え時間 |
約10秒 (チューニング可能) |
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障 |
| 障害監視開始/停止 |
仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
通信不可能となったNICを自動的に切り離します。また、運用コマンドにより手動で切り離すことも可能です。 |
| 切り戻し動作 |
異常となったNICに対する復旧監視を行い、通信可能となった時点で自動的に組み込み、通信に再使用します。また、運用コマンドにより手動で組み込むことも可能です。 |
| NIC共有化機能 |
高速切替方式、RIP方式で、NICの一部または全ての共有が可能です。 |
RIP方式:別ネットワークとの伝送路二重化
RIP方式は、標準プロトコルであるRIP(Routing Information Protocol)を使用して伝送路を制御します。本方式では、RIP情報に従って二重化した伝送路のうちの一方が使用され、異常発生時は、もう一方に切り替わります。標準プロトコルを使用しているため通信相手が限定されず、またルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信が可能です。ただし、RIPによる経路切替えは緩やかに行われるため、切替えには時間を要します。またこの時、同一ネットワーク上の通信相手との間の伝送路異常は検出できません。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
任意 |
| 動作可能アプリ |
自システムに複数のIPアドレスが定義されていても動作可能なアプリケーション。 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
RIPパケットの送受信による監視を行い、障害を検出した場合は他の伝送路へ切替えます。 |
| 切替え時間 |
約5分 (標準的なRIP運用時) |
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障、ルータ異常 |
| 障害監視開始/停止 |
仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
RIPのルーティング情報により経路を切替えます。 |
| 切り戻し動作 |
RIPのルーティング情報により経路を切り戻します。 |
| NIC共有化機能 |
高速切替方式、RIP方式で、NICの一部または全ての共有が可能です。 |
NIC切替方式:同一ネットワーク上の Solaris OS サーバ−HUB/スイッチ間の伝送路二重化
NIC切替方式は、二重化したNIC(LANカード)を同一ネットワーク上に接続し、排他使用して伝送路の切替えを制御します。本方式では通信相手が限定されず、また同一ネットワーク上および別ネットワーク上の両方のホストとの通信が可能です。本方式で二重化した伝送路上でIPv6アドレスを使用することも可能です。さらに、タグVLAN(IEEE802.1Q)運用を行う構成で使用することも可能です。なお、二重化範囲は直結しているスイッチ/HUBまでとなるため、通信経路全体を二重化するには、ルータ等の途中ネットワーク機器や通信相手装置の伝送路も二重化する必要があります。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
任意 |
| 動作可能アプリ |
自システムに複数のIPアドレスが定義されていても動作可能なアプリケーション。 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
pingコマンドによりHUBの監視を行い、障害を検出した伝送路は待機NICへ切替えます。 |
| 切替え時間 |
約25秒 (チューニング可能) |
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障 |
| 障害監視開始/停止 |
仮想インタフェース(論理IP)の活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。また運用コマンドにより、手動で開始/停止することも可能です。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
自動的に現運用系の物理インタフェースをdownさせ、待機中の物理インタフェースをupさせます。また運用コマンドにより、手動で切替えることも可能です。 |
| 切り戻し動作 |
運用コマンドにより、手動で切替えることが可能です。また、設定により自動的な切り戻しも可能です。 |
| NIC共有化機能 |
複数のNIC切替方式において、1つの構成情報内のNIC全てを同一条件で使用する場合のみ、NICを共有することが可能です。またNIC切替方式で使用しているNICは、他方式と共有することはできません。 |
GS/SURE連携方式:同一ネットワーク上の Solaris OS サーバ、グローバルサーバ/SURE
SYSTEM、および ExINCA 間の伝送路多重化
GS/SURE連携方式は、グローバルサーバ、PRIMEFORCEおよびSURE SYSTEMとの間で高信頼通信を行うための富士通方式に従って伝送路を制御します。本方式では二重化した伝送路を同時に使用し、正常時はTCPコネクション毎に伝送路を自動的に振り分けて通信を行い、異常発生時には、該当の伝送路を切り離してTCPコネクションを正常な伝送路へ移動し、縮退運用を行います。なお、本方式で通信可能な相手装置は、同一ネットワーク上のグローバルサーバ、PRIMEFORCEおよびSURE
SYSTEMに限定されます。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
グローバルサーバ、PRIMEFORCE、SURE SYSTEM。
なお、OS種別とPTF条件は以下の通り。
◆グローバルサーバ、PRIMEFORCEと接続する場合
−MSPの場合
OSIV/MSP VTAM-G TISP V10L10 C04031以降
ホットスタンバイ連携機能を使用する場合は、さらに以下の製品が必要となります。
OSIV/MSP NETSTAGE/AGS V11L10 DLIB以降
−XSPの場合
OSIV/XSP VTAM-G TISP V10L10 V04031以降
ホットスタンバイ連携機能を使用する場合は、さらに以下の製品が必要となります。
OSIV/XSP NETSTAGE/AGS V11L10 DLIB以降
※定義方法等については以下のマニュアルを参照してください。
VTAM-G TISP
マニュアル名:OSIV VTAM-G TISP説明書 V10用
マニュアルコード:J2M0-2460-02以降
NETSTAGE/AGS
マニュアル名:OSIV NETSTAGE/AGS V11L10用
マニュアルコード:J2M0-4391-01以降
◆SURE SYSTEMと接続する場合
−OS情報
SXO BCP V10L10 W04031.PTF以降 または
SXO BCP V11L10 W04031.PTF以降
−PTF情報
SXO NCSP/TISP V10L10 W04031.PTF以降 および
SXO NCSP V10L10 W04031.PTF以降
※定義方法等については以下のマニュアルを参照してください。
マニュアル情報
SXO 解説書 ネットワーク編 V10系用 (J2Q1-3112-06)
SXO 導入手引書 ネットワーク編 V10系用 (J2Q1-3122-06)
SXO ネットワークカストマイズ文法書 V10系用 (J2Q1-3132-06) |
| 動作可能アプリ |
グローバルサーバ、PRIMEFORCEと通信可能なTCPアプリケーション。なお、ftp,telnet,rlogin等の
Solaris OS のインターネット基本コマンドは本方式を利用することはできません。 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
pingコマンドにより通信相手装置のLANアダプタの監視を行い、障害を検出した場合は他経路へ切替えます。 |
| 切替え時間 |
約25秒 (チューニング可能) |
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障 |
| 障害監視開始/停止 |
仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。また運用コマンドにより、手動で開始/停止することも可能です。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
通信不可能となった経路を自動的に切り離します。なお、手動での切り離しはできません。 |
| 切り戻し動作 |
異常となった経路に対する復旧監視を行い、通信可能となった時点で自動的に組み込み、通信に再使用します。なお、手動での組み込みはできません。 |
| NIC共有化機能 |
不可 |
マルチパス機能
マルチパス機能では、複数のNIC(Network Interface Card)によりNIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行うマルチパス方式と、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべてのパスを"active"状態にして通信を行う)することで、広い帯域幅での通信を行うマルチリンクイーサネット方式による通信が実現できます。
さらに、PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500、およびGP7000Fモデル1000/2000が提供するDR(Dynamic
Reconfiguration)機能に対応しており、クラスタリソースに対応していないカードについてはDR機能に連動してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI
Hot Plug機能についても対応しています。
PRIMEPOWER 900/1500/2500において、DR機能を使用して活性交換を行う場合、システムボードのメモリ使用状態により活性交換を制限される場合があります。詳細については、ESF(Enhanced
Support Facility)のマニュアル「Dynamic Reconfigration ユーザーズガイド」、および「PRIMECLUSTER
DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド」 を参照してください。
マルチパス機能で提供する方式は、以下の2つがあります。
マルチパス方式
マルチパス方式は、複数のNIC(Network Interface Card)により、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行います。伝送路あるいはNICで何らかの異常を検出した際、運用中のNICから待機中のNICに切替えを行い、通信の高信頼化を実現した機能です。
また、使用できる上位プロトコルはTCP/IPだけでなく、FNAやSNAプロトコルを実装することが可能であり、使用できるカードはFastEthernetカードまたはGigabit
Ethernetカードだけでなく、FDDIカードおよびATMカードによる冗長化を実現することが可能となります。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
任意 |
| 動作可能アプリ |
TCPアプリケーション、FNAアプリケーションおよびSNAアプリケーション全般 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
伝送路監視デーモンにより、伝送路の接続状態(Link up/down)、および通信(入出力)パケットのエラー率を監視し、接続状態異常(Link
down)や通信パケット異常を検出した場合は待機NICへ切替えます。 |
| 切替え時間 |
約10秒 (チューニング不可)
ただし、ATMを使用する場合、通信パスの切替えは約10秒で行われますが、使用するATMのプロトコルおよび接続するATMスイッチの仕様によって再接続に時間を要する場合があります。 |
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障 |
| 障害監視開始/停止 |
システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
運用中のNIC(通信パス)を停止(fail状態)し、待機中のNIC(通信パス)を通信状態(active)にします。 |
| 切り戻し動作 |
待機中"standby"パスに対して提供コマンドを実行することにより、切戻しすることができます。 |
マルチリンクイーサネット方式
マルチリンクイーサネット方式は、複数のFastEthernetカード、またはGigabit Ethernetカードを使用し、マルチリンクイーサネット(トランキング)機能を保有したスイッチとの接続により、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべてのパスを"active"状態にして通信を行う)し、広い帯域幅での通信を実現します。伝送路あるいはNICで何らかの異常を検出した場合、送信データを通信状態のNICに切替えすることで、通信を継続、高信頼化を実現した機能です。
本方式では、相手MACアドレスによる送信データ分散、ラウンドロビンによる送信データ分散、相手IPアドレスによる送信データ分散や相手IPアドレスと自IPアドレスによる送信データ分散が可能です。
使用可能な上位プロトコルはTCP/IPのみとなります。
マルチリンクイーサネット方式の参考事項
マルチリンクイーサネット方式を採用する場合は、マルチリンクイーサネット機能を保有したスイッチを使用する必要があります。
なお、マルチリンクイーサネット機能名は各種スイッチによって、マルチリンクイーサネット機能、トランキング機能など機能名称が異なります。
マルチリンクイーサネット方式の通信帯域は、"使用NIC数 × 転送速度 × 全二重通信" で表現されますが、通信帯域幅の拡張を意味しているだけであり、転送性能(スループット性能)向上の意味は持ちません。
マルチリンクイーサネット方式やトランキング機能は、データ転送プロトコルではありません。
送信データを分散するための機能であり、受信データについては接続するスイッチの分散方式に依存します。
マルチリンクイーサネット方式は、複数のNICを同時使用することで負荷を分散し、転送効率の向上を目的とした機能です。
ただし、使用するNIC数が増加することで、自システムのCPU使用率も増加し、システム全体の転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。
また、自システムと接続するスイッチで採用する分散方式、およびネットワーク構成によっても転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。
| 接続(通信)可能な相手装置 |
任意 |
| 動作可能アプリ |
TCPアプリケーション |
| 送信データの分散方式 |
相手MACアドレス分散方式 : 送信先MAC(相手MAC)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。
ラウンドロビン分散方式 : 構成するNICに対して、均等に送信データを分散する方式です。
相手IPアドレス分散方式 : 送信先IP(相手IP)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。
相手/自IPアドレス分散方式 : 送信先IP(相手IP)アドレスと送信元IP(自IP)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。 |
| 使用可能なNIC |
サポートアダプタ一覧を参照してください。
|
| 障害監視機能 |
障害監視 |
伝送路監視デーモンにより、伝送路の接続状態(Link up/down)、および通信(入出力)パケットのエラー率を監視し、接続状態異常(Link
down)や通信パケット異常を検出した場合は他の運用中NICへ、データ送信を切替えます。 |
| 切替え時間 |
| 約10秒 (チューニング不可)
| 検出可能な障害 |
NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障 |
| 障害監視開始/停止 |
システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。 |
| 切替え機能 |
切替え動作 |
異常検出したNIC(通信パス)を停止(fail状態)し、通信状態(active)のNIC(通信パス)にデータ送信を切替えます。 |
| 切り戻し動作 |
すべてのNIC(通信パス)が通信状態(active)となるため、意味を持ちません。
fail状態のNIC(通信パス)を復旧するにはマルチパス機能の場合と同じ方法で復旧することができますが、復旧後のNIC(通信パス)の通信状態は
active となるため、切り戻しの必要はありません。 |
リンクアグリゲーション機能(PRIMEPOWERのみ)
リンクアグリゲーション機能では、サーバとリンクアグリゲーション対応のスイッチ間の伝送路を冗長化し、複数のNICを同時に使用することで広い帯域幅での通信を実現できます。性能と冗長性を両立させる場合に最適な機能です。
本機能が使用可能なインタフェースは、PRIMEPOWER250/450の拡張LANポート、または GigabitEthernet(PW008GE4/PW008GE4A、PW008GE5/PW008GE5A)のfjgiドライバインタフェースのみです。
【クラスタ環境下でのみ使用できるネットワーク機能】
クラスタ機能と連携し、業務LANを監視し、ネットワーク異常時にフェイルオーバを行います。なお、監視機能はネットワークを二重化しない場合でも使用可能です。
【利用による効果】
- PRIMECLUSTER Enterprise Edition を導入することで、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのシステム全体の可用性を高め、計画停止時間および計画外停止時間を最小限に抑えます。
【新規機能】
| 版数 |
新規機能 |
| 4.2 |
・PRIMEPOWERのSAN Boot構成をサポート
・サポートハードウェアの拡大(ETERNUS 4000, ETERNUS 8000)
|