富士通

PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.2

動作環境:SPARC Enterprise, PRIMEPOWER, S series

概要 | 機能説明 | システム構成 | 商標について | 他のソフトウェア |

概要

PRIMECLUSTER Enterprise Editionは、並列データベース・HA(切替え)などの豊富なクラスタ機能と、ボリューム管理機能、共用ファイルシステム機能、ネットワーク多重化制御などシステム全体を高可用化する機能をセットにした高信頼基盤ソフトウェアです。

【セールスポイント】

  • 自律制御によるシステム全体の高信頼化を実現、動作可能時間の最大化

    PRIMECLUSTERは、サーバ、ストレージ、ネットワークといったシステム基盤を構成する要素の高信頼化を実現します。ハードウェアからミドルウェア、アプリケーションまでシステムの重要な資源の故障自動検出、高速縮退、フェイルオーバなどの自律制御により、安全に業務を継続することができます。また、定期保守、システムの構成変更などの計画停止時も、動作中の資源へ影響を与えずに作業ができるため、サービスの動作可能時間が飛躍的に向上します。
    • サーバ運用の継続
      • Symfoware Parallel Cluster OptionやOracle9i Real Application Clusters、Oracle Real Application Clusters 10g(以下 Oracle RAC)との連携により、並列データベース環境での可用性と拡張性を両立します。
      • PRIMEPOWERのシステム監視機能と連携したサーバダウンの即時検出やホットスタンバイ機能により、わずかな停止時間で業務の運用を再開できます。
    • データアクセスの継続
      • ディスクのミラーリングにより、システムディスクや共用ディスク上のデータをディスクの故障などから保護します。
      • 複数サーバからのアクセス制御により、操作ミスからデータを保護します。
      • SAN(Storage Area Network)環境において、共用ファイルシステムを実現します。
    • ネットワークアクセスの継続
      • 複数の伝送路を仮想化し、故障発生時でも通信を継続します。
      • 多重化した伝送路を同時に使用することで帯域の向上がはかれます。
  • 統合管理による運用性/保守性の向上

    サーバ、ストレージ、ネットワークなどを、物理的な配置を意識することなく、一つのシステムとして統合的に、統一したGUI(Graphical User Interface)で管理することで、大規模化、複雑化するシステム全体の運用性、保守性が向上します。

  • ISV/IHVパートナー各社とのグローバルな協調関係による豊富な高信頼ソリューション

    富士通のミドルウェア、UNIXサーバ「PRIMEPOWER」、ストレージ「ETERNUS」との組合せによる高信頼/高可用ソリューションはもちろん、ISV/IHVパートナー各社(EMC、日立、IBM、NetApp、Oracle、SAPなど)とのグローバルな協調により、お客様のニーズにあわせた豊富なクラスタソリューションが提供できます。

  • 富士通S seriesに対応

    PRIMEPOWERに加え、富士通S seriesにも対応します。

    ※ InfiniBandは、InfiniBand® Trade Associationの商標です。

機能説明

【機能概要】

PRIMECLUSTER Enterprise Editionは、以下の製品の機能をすべて包含しています。さらに、Symfoware Parallel Cluster OptionやOracle RACを使用した、並列データベースソリューションを提供します。

クラスタ制御

  • Symfoware Parallel Cluster OptionやOracle RACとの連携による、並列データベースソリューションを実現
  • アプリケーション、ノード(クラスタシステムを構成する各サーバ)などの高速異常検出と、安全/確実な高速フェイルオーバによる高可用なHA(切替え)型クラスタを実現
  • 簡易化された導入/運用管理
  • パーティション間クラスタにより、高可用性、省スペースを両立したシステム構築が可能
  • DR(Dynamic Reconfiguration)機能、PHP(PCI Hot Plug)機能を利用した無停止保守
  • 業務の規模や種類に応じて様々な運用形態を選択可能

ストレージ制御
  • ボリューム管理(Global Disk Services:以下 GDS)
    • ソフトRAID機構
      • ディスク装置のミラーリング
      • システムダウン後にミラーリング状態を高速に回復する差分コピー機能
      • ディスク故障時にミラーリング状態を自動的に回復するホットスペア機能
      • 大容量ボリュームが作成可能なコンカチネーション
      • ディスクへのアクセス負荷を分散するストライピング
    • ボリューム管理機構
      • 複数サーバからの共用ボリューム管理
      • 複数サーバごとにアクセス権限を設定可能
      • オンラインボリューム拡張機能
    • ディスク保守
      • ディスク故障異常の早期検出/通知
  • ファイルシステム(Global File Services:以下 GFS)
    • マルチボリュームファイルシステム
      • 複数のボリュームにまたがった大規模なファイルシステムを構築可能
      • 業務を停止せずにファイルシステムのサイズを拡張可能
    • 高速ファイルシステム
      • 複数のサーバからファイル・プログラムを同時に共用する、LANに負荷を与えないSAN直接アクセスが可能なファイルシステムを実現
      • 高速リカバリ機能によりフェイルオーバ時間を短縮

ネットワーク制御(Global Link Services:以下 GLS)

  • 多重化した伝送路を仮想化し、故障発生時でも通信を継続
  • 多重化した伝送路を同時に使用し、負荷分散と帯域向上を実現
  • 異機種間の伝送路冗長化など多彩な接続形態をサポート
  • IPv6アドレスを使用したネットワーク冗長化をサポート

【機能詳細】

クラスタ制御

  • 並列データベース
    • Symfoware Parallel Cluster Option
      PRIMECLUSTERの高可用スケーラブル型運用形態を利用したSymfoware Parallel Cluster Optionにより、可用性と拡張性を両立する並列データベースを実現します。また、ノードダウン時にも待機サーバでその処理を引き継ぐことで、全体の処理能力を維持することができます。

    • Oracle RACとの連携
      TCP/IP層をバイパスした専用プロトコル通信方式と複数の通信路をラウンドロビンで使用することにより、高速・低レイテンシなノード間データ通信を可能にします。これによりOracle RACのキャッシュ・フュージョン(高速ノード間通信により、各サーバのバッファ・キャッシュを同期させるアーキテクチャ)の高速化、高信頼化を実現します。また、PRIMECLUSTERの強力な異常検出機能と連携し、ノード異常時にも高速に縮退し業務を継続することができます。 このように、PRIMECLUSTERとOracle RAC
      により、高い可用性とノード数に比例したスケーラブルな並列クラスタ環境を実現します。

    • 並列データベースの運用管理
      各ノードで動作するデータベースのインスタンス等を一括で起動/停止することができます。また、並列データベース全体を一元的に監視/管理することができます。

  • HA(切替え)型クラスタ
    • 非同期監視機能によるサーバ異常の即時検出
      PRIMEPOWERのシステム制御インタフェースのSCF (System Control Facility)、XSCF(eXtended System Control Facility)およびRCI (Remote Cabinet Interface)と連携した非同期監視機能により、ノードの異常を即時に検出します(PRIMEPOWERのみ)。さらに、リモートコンソール接続装置(RCCU:Remote Console Connection Unit)による非同期監視機能と組み合わせることで、監視機能を冗長化することができます。

    • ハートビート監視
      複数のクラスタインタコネクトを使用し、Solaris (TM) Operating System(以下Solaris OS) のカーネル空間とユーザ空間の二重のハートビート監視で、サーバダウン/ハングアップなどの異常を確実に検出します。

    • アプリケーション異常監視
      クラスタシステム上で動作するアプリケーションプログラムの生死を監視することができます。各ミドルウェアごとのクラスタ対応製品(PRIMECLUSTER Wizard for Oracle, PRIMECLUSTER Wizard for NetWorker, PRIMECLUSTER Wizard for Netcompo等)を使用することで、より高度な異常監視ができます。

    • ストレージの異常監視
      ボリューム管理機能と組み合わせることで、ディスク故障やディスクアクセスパスの故障を検出することができます。

    • ネットワークの異常監視
      業務LANのネットワークアダプタや経路の故障を検出することができます。

    • 異常ノードの確実な停止
      定周期監視でサーバのハングアップ/スローダウンを検出した場合、複数の経路(SCF/RCI、RCCU、XSCF)で異常ノードを確実に停止し、共用データの保全を実現します。

    • 業務のフェイルオーバ
      各種の異常を検出すると業務が待機ノードにフェイルオーバ(自動的にユーザ業務が運用系から待機系へ処理やデータを引き継ぎ)します。フェイルオーバ時には、アプリケーションに加えて、共用ディスク、IPアドレス、MACアドレス、ノード名等が引き継がれます。

    • ホットスタンバイ機能による高速フェイルオーバ
      ホットスタンバイ機能は、運用系の異常発生後に待機系でデータ引継ぎや業務アプリケーションの起動を行う一般的なスタンバイ形式とは異なり、待機系で事前に業務再開の準備を整えておく機能です。SymfowareやInterstageなどのソフトの起動、共用ディスク装置の事前オープン、アプリケーションの起動までを完了しているため、即座に業務が再開可能な状態でスタンバイしており、業務再開までの時間を大幅に短縮できます。
      また、Symfoware Parallel Cluster Optionのフラッシュトリートメントリカバリ機能との連携により、データベースのリカバリ時間を短縮し、大規模なデータベースサーバにおいても数十秒オーダでのフェイルオーバを実現します。

    • クラスタインタコネクトによるノード間通信
      CIP(Cluster Interconnect Protocol)機能により、クラスタのインタコネクトを標準的なTCP/IPインタフェースでアプリケーションから使用できます。インタコネクトにはFast Ethernet、Gigabit Ethernetが使用できます。

    • クラスタインタコネクト故障への対応
      クラスタインタコネクトの故障により、クラスタを構成するサーバ間の分断が発生した場合、ポリシー設定に基づいて故障したノードを切り離し、業務を継続します。

    • パトロール診断(PRIMEPOWERのみ)
      待機ノードの共用装置(ディスク装置、LAN)について定期診断を行うパトロール診断機能により、待機ノードの故障による切替えの失敗を未然に防ぐことができます。

    • 自動構成チェック
      クラスタシステムを構成するハードウェア(共用ディスク装置)を起動時に認識する自動構成チェック機能により、各ノードが正常に動作することを確認できます。

  • 導入/運用管理の簡易化
    • 複数ノードへのインストールの簡易化
      あらかじめ設定したソフトウェアのインストール情報にしたがって、クラスタを構成する複数のノードにOS、各種ドライバ、ESF(Enhanced Support Facility)、各種ソフトウェア、PRIMECLUSTERのインストールを行うことで、クラスタシステムの導入が容易になります。

    • クラスタ構成を容易に設定
      • 簡易なクラスタ構成設定
        メニュー操作により、クラスタシステムの構築/構成変更ができます。
      • きめ細かなポリシー設定
        フェイルオーバの条件、障害発生時のリカバリの方法、アプリケーションの起動/停止の際に使用するスクリプトなど、クラスタ構成のきめ細かな設定が可能です。

    • WebベースのGUIによるクラスタシステムの管理
      • WebベースのGUIによる集中監視と運用操作(Web-Based Admin View)
        クラスタシステムの状態をリアルタイムに表示します。
        また、クラスタシステムの運用および保守操作を簡易化します。
      • クラスタシステムの集中管理(RC2000)
        コンソールに出力されるメッセージをクラスタコンソールで集中管理し、システムの運用管理性を向上させます。また、ソフトウェアのインストール、パッチの適用、リブートなどのソフトウェア保守作業を可能にします。

  • パーティション間クラスタ (PRIMEPOWERのみ)
    PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500は、パーティション機能により一台のPRIMEPOWERを複数のシステム(パーティション)に分割できます。
    • 本体装置間パーティションクラスタ
      複数パーティション構成の本体装置を相互接続してクラスタ運用する形態です。分散したサーバの統合により、TCOを削減し、高可用、省スペースのクラスタシステムを構築できます。

    • 本体装置内パーティションクラスタ
      本体装置内の複数パーティション間でクラスタを構築する形態で省スペースのクラスタ運用が可能です。同一本体装置内で複数のクラスタシステムを構築可能です。


  • DR機能、PHP機能を利用した無停止保守 (PRIMEPOWERのみ)
    クラスタ運用においてDR機能、PHP機能を利用することで、より可用性の
    高い保守運用を実現します。
    • DR機能
      業務を停止せずにメモリ/CPUを搭載したシステムボードの交換、増設、およびパーティション間移動ができます。
      利用可能な機種はPRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500です。
    • PHP機能
      Solaris OSへのPCIカード追加(組込み)および取外し(切離し)をシステムを再起動せずに行えます。
      利用可能な機種はPRIMEPOWER 450(ペディスタル/ラックマウントタイプ(7U))/900/1500(SPARC64 V搭載モデル)/2500です。

  • 豊富なクラスタ運用形態
    代表的なクラスタの運用形態を以下に示します。
    また、これらの運用形態を組み合わせた複合型運用形態も可能です。
    • スケーラブル運用 (並列データベース)
      • スケーラブル
        複数の運用ノードで構成され、すべてのノードで業務を並列に処理します。いずれかのノードで異常が発生した場合には、異常ノードを切り離して業務を継続します。 本運用形態では、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態はOracle RACで使用します。


      • 高可用スケーラブル
        複数の運用ノードと、一台以上の待機ノードで構成され、すべての運用ノードで業務を並列に処理します。いずれかの運用ノードに異常が発生した場合には、待機ノードで業務を引継ぎ、業務を継続します。 本運用形態では、一台の運用ノードが異常になっても、フェイルオーバによりクラスタシステム全体の処理能力が維持できます。また、ノード増設によりクラスタシステム全体の処理能力向上が図れます。本運用形態はSymfoware Parallel Cluster Optionで使用します。


    • スタンバイ運用
      • 1:1運用待機
        待機ノードが、運用ノードの異常に備えて待機します。異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力が低下しません。



      • 相互待機
        各ノードが互いに待機ノードを兼ねながら業務を行います。一方のノードで異常が発生した場合には、もう一方のノードに業務が引き継がれます。本運用形態では、通常運用時にすべてのノードを活用できる反面、異常時には、1つのノードで両方の業務が動作するため、両方の業務が動作可能な資源を見積もる必要があります。


      • N:1運用待機
        運用ノードを複数配置し、それぞれの待機ノードを一つ配置します。運用ノードに異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードにフェイルオーバします。本運用形態では、フェイルオーバ後も業務の処理能力は低下しません。複数の運用ノードに対して1台の待機ノードを用意するだけで済むため、コストパフォーマンスの高いクラスタシステムを構築できます。



      • カスケード
        1つの運用ノードに対して複数の待機ノードを定義できます。1つのノードが停止した後も、残りのノードで業務の冗長構成がとれるため、定期保守などの間も可用性を保つことができます。


      • 移動待機
        N:1運用待機の構成において、故障から復旧したノードを組み込むと、自動的に待機ノードとして機能します。故障から復旧した際に切り戻しを行う必要がないため、復旧時にも業務が継続できます。


      • N:M運用待機
        複数の運用ノードと、複数の待機ノードで構成されます。運用ノードの一台に異常が発生した場合、異常を自動的に検出し、業務を待機ノードの一つにフェイルオーバします。一台の運用ノードに異常が発生してフェイルオーバしてもまだ待機ノードが存在するため、冗長性を維持することができます。


 

ストレージ制御(ボリューム管理)

  • ソフトRAID機構
    • あらゆるディスク装置のミラーリング
      各種ディスク装置をミラーリングできるため、Solaris OSがインストールされているシステムディスク(本体内蔵ディスクおよびETERNUS ディスクアレイ*を使用したSAN Bootディスク)のミラーから、大規模なディスクアレイ筐体間ミラーまで、幅広い環境におけるすべてのディスク装置をGDSで一元管理したシステムが構築できます。 ディスクアレイ筐体間のミラーリングは、保守、故障といった筐体を停止する要因にも耐えられるデータ可用性を実現できます。
      また、SAN Bootディスクをミラーリングすることで、システムディスクの信頼性が向上します。

      *:ETERNUS 3000, ETERNUS 4000, ETERNUS 6000, ETERNUS 8000を示します。


    • ホットスペア
      ミラーリングしているディスクの他にスペアディスク(予備のディスク)を用意しておくことによって、ディスクが故障した際に、スペアディスクを使用して自動的にミラーリング状態を回復し、データを保護し続けることができます。

    • ホットスワップ
      ミラーリングされているディスクが故障した際、アプリケーションを停止することなく、故障した部品を交換できます。管理者は、ディスク構成を意識しなくても、GUI画面上に表示された故障ディスクを選択するだけで、交換前の準備や交換後の復旧(データのコピー)ができます。

    • システムダウンからの高速リカバリ
      パニックなどによってシステムが突然ダウンした場合、リブート後に短時間でミラーリング状態を回復できます。ミラーリング状態が損なわれている部分のみをコピーすることによって、ミラーリングされていない時間を最小にしたり、業務アプリケーションへの負荷を必要最小限にできます。

    • 論理パーティション分割
      Solaris OSでは、ディスクは最大でも7個のボリュームにしか分割できません。GDSを使用することによって、ディスクを最大1024個の論理的なボリューム(以下、論理ボリューム)に分割できます。

    • コンカチネーション
      複数のディスクを連結して、1つの論理的な大容量ディスクとして使用できます。コンカチネーション機能を使用すると、1テラバイトを超えるボリュームを作成できます。


    • ストライピング
      複数のディスクを1つの論理的なディスクとして扱い、I/Oを複数のディスクに振り分けることによって、I/O負荷を分散することができます。ストライピング機能を使用すると、1テラバイトを超えるボリュームを作成できます。

    • コンカチネーション/ストライピングとミラーリングとの併用
      コンカチネーションおよびストライピングは、データの冗長性を提供しません。むしろ、多数のディスクを使う分、データの可用性は低くなります。GDSでは、コンカチネートまたはストライピングしたディスクをミラーリングすることによって、ディスクの大容量化やI/O負荷分散と同時に、データの可用性を向上させることができます。

  • ボリューム管理機構
    • 運用管理インタフェース
      ディスクをGDSの管理下へ登録すると、以降ディスクに対するすべての操作(構成設定、状態監視、構成管理、バックアップ、保守など)をGDSの運用管理インタフェースで一元的に行うことができます。GDSの運用管理インターフェースには、直感的な操作が可能なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)とバッチ処理や他のアプリケーションとの連携に利用可能なコマンドラインインタフェース(CLI)があります。 GUIはWebブラウザで設定、管理することができます。


    • すべてのディスク装置を一括管理
      GDSで管理するディスクをミラーリングするかどうかは、必要に応じて選択できます。ミラーリングしなくても可用性が得られる高信頼なディスクアレイ装置を含めて、あらゆるディスク装置を統合的に管理することができます。

    • 自由なデバイス名
      ディスクや論理ボリュームには、管理者が自由に名前を付けることができます。ハードウェア構成を連想させる名前やデータの内容を表す名前など、覚えやすい名前を設定することにより、多数のディスクが接続された環境でのシステム管理コストを軽減できます。

    • オンラインボリューム拡張機能
      拡張したいボリュームの後ろに空き領域がある場合、アプリケーションの動作中にボリュームのデータを保持したまま、ディスク領域を追加してボリュームの容量を増やすことができます。

      ボリューム作成を行う前に、ディスクをコンカチネーション可能なミラー構成にしておくことにより、拡張したいボリュームの後ろに空き領域がない場合でも、未使用のディスクを追加しボリュームを拡張することができます。



      また、PRIMECLUSTER GDS Snapshotを導入している場合は、十分な空き領域がない場合でも、オンラインディスク移行の機能を使用して、ボリュームを十分な空き領域があるディスクに移行し、ボリュームを拡張することができます。

    • ボリューム構成情報のバックアップ/リストア
      ディスク故障などにより、ボリュームの管理情報が破壊された場合に、あらかじめバックアップした構成情報をもとに、自動的にボリュームが作成され、以前と同じボリューム構成を復元できます。
      また、バックアップした構成情報をもとに、他のシステムに同じボリューム構成を作成することができます。


  • ディスク保守
    • ディスク異常の早期検出
      ディスク異常が発生すると、メッセージを出力するとともにGUIの警告ランプが自動的に点滅して、即座に異常を通知します。異常オブジェクト表示のメニューを選択すると、異常なディスクを一目で特定できます。

    • ディスク保守の簡易化 (PRIMEPOWERのみ)
      PRIMEPOWERに添付されているESFのマシン管理機能との連携により、ディスク故障の予兆管理、ディスクを含むハードウェア全体の構成管理/異常監視、故障原因を特定するためのログ監視、ディスク活性交換手順のガイダンスを行います。PRIMEPOWERの内蔵ディスクまたは増設ファイルユニットをミラーリングしている場合、ディスク故障時には自動的にディスクが交換可能な状態となり、交換するディスクの位置がLEDの点灯によって示されるため、安全かつ確実にディスクを交換できます。

    • FJVTS機能との連携
      PRIMEPOWERに添付されているESFのFJVTS機能との連携により、GDSで管理しているディスク装置の各種オンライン診断ができます。

    【クラスタ環境下で使用可能なボリューム管理機能】

  • クラスタ共用ディスクのミラーリング
    クラスタシステムの複数のノード(クラスタシステムを構成する各サーバ)から共用されているディスク装置をミラーリングすることで、より可用性の高いクラスタシステムを構築することができます。また、クラスタ共用ディスクのコンカチネーションやストライピングも可能です。

  • 自動構成
    クラスタを構成する各ノードと共用ディスク装置との物理的な接続構成を自動的に認識します。本機能によって、導入、設定の作業が簡易化されます。各ノード起動時には、ディスクの電源投入忘れや、ケーブル結線誤りなどを自動的に検出し、ディスクのデータ破壊を未然に防ぎます。

  • シングルシステムイメージ環境
    GDSは、複数のノードから構成されるクラスタシステムが、利用者やアプリケーションにとって、あたかも1つのシステムであるかのように見えるシングルシステムイメージ環境を提供します。すべてのノードから同じ名前でディスクへのアクセスや操作ができます。

  • アクセス制御
    ディスクに対し、アクセスや操作が可能なノードを定義することで、業務に無関係なノードからの不当なアクセスや誤操作からディスクデータを保護できます。 また、論理ボリュームに対しては、ノードごとに読書き用または読取り専用のアクセスモードを設定することにより、誤った書込みを防止します。



  • 共用ディスク異常の検出
    共用ディスク装置やディスクアクセスパスの故障を検出し、クラスタ制御にディスクの異常を通知します。本機能とクラスタ制御との組み合わせにより、安全/確実なフェイルオーバによる高可用なHA(切替え)型クラスタを実現します。

ストレージ制御(ファイルシステム)

  • マルチボリュームファイルシステム
    • マルチボリューム
      複数のディスクを使用して一つのファイルシステムを構築するマルチボリュームをサポートしています。複数のディスクを組み合わせることで大規模ファイルシステムを構築できます。

    • オンラインでファイルシステムの拡張
      ファイルシステムのサイズ拡張を、業務を停止することなく実行可能です。これまでのように、データのバックアップ→領域の拡大→ファイルシステム再作成→データのリストアという時間のかかる作業は必要ありません。

  • 高可用ファイルシステム
    • 高速リカバリ
      ファイルシステムの制御(領域獲得など)をログで管理し、システムダウン後のファイルシステムの復旧はログ情報を使って高速に行います。

    • 管理情報の冗長化
      スーパブロック、ボリューム情報を冗長構成することにより、これらのデータがアクセス不可になっても継続運用が可能です。

    • Quota機能
      Quotaにより、一般ユーザが作成できる「ファイル数」や「ブロック数」の合計をユーザごとに制限できます。


  • 高性能ファイルシステム
    • 連続ブロック割り当て
      ファイルの領域割当ておよび空き領域管理の単位をエクステントベース(開始位置とサイズ)で行うため、大きなファイルでもI/O回数を削減できます。ファイルサイズに依存しないアクセス性能を実現します。
    • 入出力分散
      GFSファイルシステムは、メタデータ(ファイルシステムの管理情報)域、ログ(高速リカバリを行うためのファイルシステム変更履歴)域、データ域から構成されますが、それぞれを別のディスクに割り当てることができます。これにより、ファイルシステム全体の入出力性能を向上させることができます。


      複数のディスクからデータ域を構築した場合、ラウンドロビン割当によりファイルを別々のディスクに割り当てるため、I/O処理が分散されます。

    【クラスタ環境下で使用できるファイルシステム機能】

  • 切替用ファイルシステム
    切替用ファイルシステムとして高速リカバリ機能を使用することで、ノード切替時間が大幅に短縮されます。


  • 共用ファイルシステム
    • SAN環境に最適な一貫性を保証した同時アクセス
      共用ディスク上のファイルシステムを、複数ノードから同時にアクセスできます。ファイルに対する複数プロセスからのアクセスについて考慮しているUNIXアプリケーションは、複数のUNIXシステムからそのまま使用できます。

    • ファイルシステムの整合性を保証
      ファイルシステムへアクセス中のノードがダウンした場合でも、ダウンしていないノードからはファイルシステムの整合性を保証した状態で継続したアクセスができます。

    • 高速データアクセス
      複数のノードから、LANを介さずに共用ディスクに直接アクセスするため、高速にデータアクセスできます。

    • メタデータサーバ(MDS)のオンライン切戻し
      共用ファイルシステムの管理情報を制御するMDSは、サーバ異常等が発生すると自動的に他のサーバに切り替わって業務を継続することができます。
      異常のあったサーバを復旧した後、従来は業務停止が必要であった切戻し操作を、業務を継続したまま行えるようになります。 これにより、MDS用に高性能なサーバを配置するような場合に、オンラインのままで、最適な環境に切戻すことができます。

    • GUIによる導入設定の簡易化
      GFS共用ファイルシステムの初期設定(管理パーティションの設定)から運用管理までをGUIから操作ができます。

    • 同時利用可能なファイルシステム数の拡大
      共用ファイルシステムは最大28ファイルシステムまで同時利用が可能です。


    • オンラインノード追加
      業務を停止せずに、GFS共用ファイルシステムで利用可能なノードを追加することができます。


    • オンラインバックアップ
      PRIMECLUSTER GDS Snapshotを使用することで、業務を停止せずに、GFS共用ファイルシステムをボリューム単位に高速バックアップできます。


ネットワーク制御

  • 伝送路二重化機能

    伝送路二重化機能では、複数のNIC (Ethernetカード) を束ねて1つの仮想的な論理インタフェースを生成し、このインタフェースに仮想的なネットワーク番号を割り付けます。PRIMECLUSTER GLSを利用するTCPアプリケーションは、この仮想ネットワークを通して通信を行うことにより、冗長化した伝送路の構成や、伝送路上で発生したネットワーク障害を意識することなく、業務を行うことができます。
    さらに、PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500、およびGP7000Fモデル1000/2000が提供するDR (Dynamic Reconfiguration) 機能に対応しており、DR機能に連動してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI Hot Plug機能についても対応しています。
    なお、DR機能に連動したNICの追加/削除/交換は、伝送路二重化機能をシングルシステムで運用している場合にのみ行うことができます。

    PRIMEPOWER 900/1500/2500において、DR機能を使用して活性交換を行う場合、システムボードのメモリ使用状態により活性交換を制限される場合があります。詳細については、ESF(Enhanced Support Facility)のマニュアル「Dynamic Reconfigration ユーザーズガイド」、および「PRIMECLUSTER DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド」を参照してください。

    冗長化した伝送路の制御方式には、以下の4つがあります。

    • 高速切替方式:同一ネットワーク上のSolaris OSサーバ間の伝送路多重化

      高速切替方式は、PRIMECLUSTER GLS自身の方式により伝送路を制御します。本方式では、多重化した伝送路を同時に使用し、障害発生時は該当の伝送路を切り離して縮退運用します。本方式で多重化した伝送路上でIPv6アドレスを使用することも可能です。さらに、タグVLAN(IEEE802.1Q)運用を行う構成で使用することも可能です。多重化した伝送路をPRIMECLUSTER GLS自身が制御するため、障害を早期に検出することが可能ですが、通信可能な相手装置はPRIMEQUEST、PRIMERGY、PRIMEPOWER、GP7000F、富士通 S series、GP-Sに限定されます。また、ルータを超えた別ネットワーク上のホストとの通信には利用できません。

      接続(通信)可能な相手装置

      PRIMEPOWER、GP7000F、富士通 S series、GP-S、Linuxサーバ

      動作可能アプリ

      TCPアプリケーション全般

      転送データの分散方式

      相手/自ポート分散:
      通信するアプリケーションの自ポートと相手ポートを元に送信先NICを決定し、送信データを分散します。

      使用可能なNIC

      サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      専用フレームの送受信による監視を行い、障害を検出した伝送路は切り離して縮退運用します。

      切替え時間

      約10秒 (チューニング可能)

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障

      障害監視開始/停止

      仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。

      切替え機能

      切替え動作

      通信不可能となったNICを自動的に切り離します。また、運用コマンドにより手動で切り離すことも可能です。

      切り戻し動作

      異常となったNICに対する復旧監視を行い、通信可能となった時点で自動的に組み込み、通信に再使用します。また、運用コマンドにより手動で組み込むことも可能です。

      NIC共有化機能

      高速切替方式、RIP方式で、NICの一部または全ての共有が可能です。


    • RIP方式:別ネットワークとの伝送路二重化

      RIP方式は、標準プロトコルであるRIP(Routing Information Protocol)を使用して伝送路を制御します。本方式では、RIP情報に従って二重化した伝送路のうちの一方が使用され、異常発生時は、もう一方に切り替わります。標準プロトコルを使用しているため通信相手が限定されず、またルータを経由した別ネットワーク上のホストとの通信が可能です。ただし、RIPによる経路切替えは緩やかに行われるため、切替えには時間を要します。またこの時、同一ネットワーク上の通信相手との間の伝送路異常は検出できません。

      接続(通信)可能な相手装置

      任意

      動作可能アプリ

      自システムに複数のIPアドレスが定義されていても動作可能なアプリケーション。

      使用可能なNIC

      サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      RIPパケットの送受信による監視を行い、障害を検出した場合は他の伝送路へ切替えます。

      切替え時間

      約5分 (標準的なRIP運用時)

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障、ルータ異常

      障害監視開始/停止

      仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。

      切替え機能

      切替え動作

      RIPのルーティング情報により経路を切替えます。

      切り戻し動作

      RIPのルーティング情報により経路を切り戻します。

      NIC共有化機能

      高速切替方式、RIP方式で、NICの一部または全ての共有が可能です。


    • NIC切替方式:同一ネットワーク上の Solaris OS サーバ−HUB/スイッチ間の伝送路二重化

      NIC切替方式は、二重化したNIC(LANカード)を同一ネットワーク上に接続し、排他使用して伝送路の切替えを制御します。本方式では通信相手が限定されず、また同一ネットワーク上および別ネットワーク上の両方のホストとの通信が可能です。本方式で二重化した伝送路上でIPv6アドレスを使用することも可能です。さらに、タグVLAN(IEEE802.1Q)運用を行う構成で使用することも可能です。なお、二重化範囲は直結しているスイッチ/HUBまでとなるため、通信経路全体を二重化するには、ルータ等の途中ネットワーク機器や通信相手装置の伝送路も二重化する必要があります。

      接続(通信)可能な相手装置

      任意

      動作可能アプリ

      自システムに複数のIPアドレスが定義されていても動作可能なアプリケーション。

      使用可能なNIC

      サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      pingコマンドによりHUBの監視を行い、障害を検出した伝送路は待機NICへ切替えます。

      切替え時間

      約25秒 (チューニング可能)

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障

      障害監視開始/停止

      仮想インタフェース(論理IP)の活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。また運用コマンドにより、手動で開始/停止することも可能です。

      切替え機能

      切替え動作

      自動的に現運用系の物理インタフェースをdownさせ、待機中の物理インタフェースをupさせます。また運用コマンドにより、手動で切替えることも可能です。

      切り戻し動作

      運用コマンドにより、手動で切替えることが可能です。また、設定により自動的な切り戻しも可能です。

      NIC共有化機能

      複数のNIC切替方式において、1つの構成情報内のNIC全てを同一条件で使用する場合のみ、NICを共有することが可能です。またNIC切替方式で使用しているNICは、他方式と共有することはできません。


    • GS/SURE連携方式:同一ネットワーク上の Solaris OS サーバ、グローバルサーバ/SURE SYSTEM、および ExINCA 間の伝送路多重化

      GS/SURE連携方式は、グローバルサーバ、PRIMEFORCEおよびSURE SYSTEMとの間で高信頼通信を行うための富士通方式に従って伝送路を制御します。本方式では二重化した伝送路を同時に使用し、正常時はTCPコネクション毎に伝送路を自動的に振り分けて通信を行い、異常発生時には、該当の伝送路を切り離してTCPコネクションを正常な伝送路へ移動し、縮退運用を行います。なお、本方式で通信可能な相手装置は、同一ネットワーク上のグローバルサーバ、PRIMEFORCEおよびSURE SYSTEMに限定されます。

      接続(通信)可能な相手装置

      グローバルサーバ、PRIMEFORCE、SURE SYSTEM。

      なお、OS種別とPTF条件は以下の通り。

      ◆グローバルサーバ、PRIMEFORCEと接続する場合

      −MSPの場合
        OSIV/MSP VTAM-G TISP V10L10 C04031以降

        ホットスタンバイ連携機能を使用する場合は、さらに以下の製品が必要となります。

        OSIV/MSP NETSTAGE/AGS V11L10 DLIB以降

      −XSPの場合
        OSIV/XSP VTAM-G TISP V10L10 V04031以降

        ホットスタンバイ連携機能を使用する場合は、さらに以下の製品が必要となります。

        OSIV/XSP NETSTAGE/AGS V11L10 DLIB以降

      ※定義方法等については以下のマニュアルを参照してください。

        VTAM-G TISP
          マニュアル名:OSIV VTAM-G TISP説明書 V10用
          マニュアルコード:J2M0-2460-02以降

        NETSTAGE/AGS
          マニュアル名:OSIV NETSTAGE/AGS V11L10用
          マニュアルコード:J2M0-4391-01以降

      ◆SURE SYSTEMと接続する場合

      −OS情報
        SXO BCP V10L10 W04031.PTF以降 または
        SXO BCP V11L10 W04031.PTF以降

      −PTF情報
        SXO NCSP/TISP V10L10 W04031.PTF以降 および
        SXO NCSP V10L10 W04031.PTF以降

      ※定義方法等については以下のマニュアルを参照してください。

        マニュアル情報
          SXO 解説書 ネットワーク編 V10系用 (J2Q1-3112-06)
          SXO 導入手引書 ネットワーク編 V10系用 (J2Q1-3122-06)
          SXO ネットワークカストマイズ文法書 V10系用 (J2Q1-3132-06)

      動作可能アプリ

      グローバルサーバ、PRIMEFORCEと通信可能なTCPアプリケーション。なお、ftp,telnet,rlogin等の Solaris OS のインターネット基本コマンドは本方式を利用することはできません。

      使用可能なNIC

      サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      pingコマンドにより通信相手装置のLANアダプタの監視を行い、障害を検出した場合は他経路へ切替えます。

      切替え時間

      約25秒 (チューニング可能)

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ/HUB故障

      障害監視開始/停止

      仮想インタフェースの活性化時に自動的に開始し、仮想インタフェースの非活性化時に自動的に停止します。また運用コマンドにより、手動で開始/停止することも可能です。

      切替え機能

      切替え動作

      通信不可能となった経路を自動的に切り離します。なお、手動での切り離しはできません。

      切り戻し動作

      異常となった経路に対する復旧監視を行い、通信可能となった時点で自動的に組み込み、通信に再使用します。なお、手動での組み込みはできません。

      NIC共有化機能

      不可


  • マルチパス機能

    マルチパス機能では、複数のNIC(Network Interface Card)によりNIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行うマルチパス方式と、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべてのパスを"active"状態にして通信を行う)することで、広い帯域幅での通信を行うマルチリンクイーサネット方式による通信が実現できます。
    さらに、PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500、およびGP7000Fモデル1000/2000が提供するDR(Dynamic Reconfiguration)機能に対応しており、クラスタリソースに対応していないカードについてはDR機能に連動してNICの追加/削除/交換を行い、通信を継続することができます。また、PCI Hot Plug機能についても対応しています。

    PRIMEPOWER 900/1500/2500において、DR機能を使用して活性交換を行う場合、システムボードのメモリ使用状態により活性交換を制限される場合があります。詳細については、ESF(Enhanced Support Facility)のマニュアル「Dynamic Reconfigration ユーザーズガイド」、および「PRIMECLUSTER DR/PCI Hot Plugユーザーズガイド」 を参照してください。

    マルチパス機能で提供する方式は、以下の2つがあります。

    • マルチパス方式

      マルチパス方式は、複数のNIC(Network Interface Card)により、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを排他使用(通常運用時に一方を"active"状態にして通信を行う)して通信を行います。伝送路あるいはNICで何らかの異常を検出した際、運用中のNICから待機中のNICに切替えを行い、通信の高信頼化を実現した機能です。
      また、使用できる上位プロトコルはTCP/IPだけでなく、FNAやSNAプロトコルを実装することが可能であり、使用できるカードはFastEthernetカードまたはGigabit Ethernetカードだけでなく、FDDIカードおよびATMカードによる冗長化を実現することが可能となります。

      接続(通信)可能な相手装置

      任意

      動作可能アプリ

      TCPアプリケーション、FNAアプリケーションおよびSNAアプリケーション全般

      使用可能なNIC

      サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      伝送路監視デーモンにより、伝送路の接続状態(Link up/down)、および通信(入出力)パケットのエラー率を監視し、接続状態異常(Link down)や通信パケット異常を検出した場合は待機NICへ切替えます。

      切替え時間

      約10秒 (チューニング不可)
      ただし、ATMを使用する場合、通信パスの切替えは約10秒で行われますが、使用するATMのプロトコルおよび接続するATMスイッチの仕様によって再接続に時間を要する場合があります。

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障

      障害監視開始/停止

      システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。

      切替え機能

      切替え動作

      運用中のNIC(通信パス)を停止(fail状態)し、待機中のNIC(通信パス)を通信状態(active)にします。

      切り戻し動作

      待機中"standby"パスに対して提供コマンドを実行することにより、切戻しすることができます。


    • マルチリンクイーサネット方式

      マルチリンクイーサネット方式は、複数のFastEthernetカード、またはGigabit Ethernetカードを使用し、マルチリンクイーサネット(トランキング)機能を保有したスイッチとの接続により、NIC−スイッチ間の伝送路を冗長化し、NICを同時使用(通常運用時にすべてのパスを"active"状態にして通信を行う)し、広い帯域幅での通信を実現します。伝送路あるいはNICで何らかの異常を検出した場合、送信データを通信状態のNICに切替えすることで、通信を継続、高信頼化を実現した機能です。
      本方式では、相手MACアドレスによる送信データ分散、ラウンドロビンによる送信データ分散、相手IPアドレスによる送信データ分散や相手IPアドレスと自IPアドレスによる送信データ分散が可能です。
      使用可能な上位プロトコルはTCP/IPのみとなります。

      • マルチリンクイーサネット方式の参考事項

        • マルチリンクイーサネット方式を採用する場合は、マルチリンクイーサネット機能を保有したスイッチを使用する必要があります。
          なお、マルチリンクイーサネット機能名は各種スイッチによって、マルチリンクイーサネット機能、トランキング機能など機能名称が異なります。
        • マルチリンクイーサネット方式の通信帯域は、"使用NIC数 × 転送速度 × 全二重通信" で表現されますが、通信帯域幅の拡張を意味しているだけであり、転送性能(スループット性能)向上の意味は持ちません。
        • マルチリンクイーサネット方式やトランキング機能は、データ転送プロトコルではありません。
          送信データを分散するための機能であり、受信データについては接続するスイッチの分散方式に依存します。
        • マルチリンクイーサネット方式は、複数のNICを同時使用することで負荷を分散し、転送効率の向上を目的とした機能です。
          ただし、使用するNIC数が増加することで、自システムのCPU使用率も増加し、システム全体の転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。
          また、自システムと接続するスイッチで採用する分散方式、およびネットワーク構成によっても転送性能(スループット性能)に影響する場合があります。

      接続(通信)可能な相手装置

      任意

      動作可能アプリ

      TCPアプリケーション

      送信データの分散方式 相手MACアドレス分散方式 : 送信先MAC(相手MAC)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。
      ラウンドロビン分散方式 : 構成するNICに対して、均等に送信データを分散する方式です。
      相手IPアドレス分散方式 : 送信先IP(相手IP)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。
      相手/自IPアドレス分散方式 : 送信先IP(相手IP)アドレスと送信元IP(自IP)アドレスを元に送信先NICを決定し、送信データを分散する方式です。
      使用可能なNIC サポートアダプタ一覧を参照してください。

      障害監視機能

      障害監視

      伝送路監視デーモンにより、伝送路の接続状態(Link up/down)、および通信(入出力)パケットのエラー率を監視し、接続状態異常(Link down)や通信パケット異常を検出した場合は他の運用中NICへ、データ送信を切替えます。

      切替え時間

      約10秒 (チューニング不可)

      検出可能な障害

      NIC故障、ケーブル故障、スイッチ故障

      障害監視開始/停止

      システム起動時に開始し、システム停止時に停止します。

      切替え機能

      切替え動作

      異常検出したNIC(通信パス)を停止(fail状態)し、通信状態(active)のNIC(通信パス)にデータ送信を切替えます。

      切り戻し動作

      すべてのNIC(通信パス)が通信状態(active)となるため、意味を持ちません。
      fail状態のNIC(通信パス)を復旧するにはマルチパス機能の場合と同じ方法で復旧することができますが、復旧後のNIC(通信パス)の通信状態は active となるため、切り戻しの必要はありません。


  • リンクアグリゲーション機能(PRIMEPOWERのみ)

    リンクアグリゲーション機能では、サーバとリンクアグリゲーション対応のスイッチ間の伝送路を冗長化し、複数のNICを同時に使用することで広い帯域幅での通信を実現できます。性能と冗長性を両立させる場合に最適な機能です。
    本機能が使用可能なインタフェースは、PRIMEPOWER250/450の拡張LANポート、または GigabitEthernet(PW008GE4/PW008GE4A、PW008GE5/PW008GE5A)のfjgiドライバインタフェースのみです。

【クラスタ環境下でのみ使用できるネットワーク機能】

クラスタ機能と連携し、業務LANを監視し、ネットワーク異常時にフェイルオーバを行います。なお、監視機能はネットワークを二重化しない場合でも使用可能です。

【利用による効果】

  • PRIMECLUSTER Enterprise Edition を導入することで、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのシステム全体の可用性を高め、計画停止時間および計画外停止時間を最小限に抑えます。

【新規機能】

版数 新規機能
4.2 ・PRIMEPOWERのSAN Boot構成をサポート
・サポートハードウェアの拡大(ETERNUS 4000, ETERNUS 8000)

システム構成

  • 2ノード構成(SAN環境)



  • 2ノード構成(NAS環境)

  • 2ノード構成(SCSI接続環境)

  • 3ノード構成

  • クラスタシステムを構成するためには、以下のハードウェアが必要となります。

    • クラスタインタコネクト
      クラスタのノード間通信のために専用のLANが必要です。クラスタインタコネクトは、各ノードの状態監視やノード間の通信を行う重要なネットワークであり、2本以上にすることを推奨します。以下の点に留意してください。
      • ノードが 3ノード以上の場合はハブが必要です。また、InfiniBand使用時は、専用のスイッチが必要です。
      • ハブは経路ごとに必要です。
      • Oracle RAC使用時は、ノードが2ノードの場合でもハブが必要です。
      • Oracle RAC使用時は、Gigabit Ethernetを推奨します。
      • クラスタインタコネクトと、業務LAN/運用管理LANを兼用することはできません。

      クラスタインタコネクトとして使用可能なカードは以下のとおりです。

                   ・PRIMEPOWER

     

     

    装置名 型名 備考
    Ethernet
    カード
    本体LAN  
    PW008FE1  
    X1033A-A/F  
    PW008QE2
    PW008QE1/-F  
    Gigabit Ethernet
    カード
    本体LAN  
    PW008GE4/PW008GE4A  
    PW008GE5/PW008GE5A  
    PP028GE1/-F  
    PW008GE1/-F  
    PW008GE2
    PW008GE3  
    PW008QG1  
    IBカード PW028SY1 InfiniBand用

          ・富士通S series

     

     

    装置名 型名 備考
    Ethernet
    カード
    本体LAN  
    X1033A-A/F  
    X1034A-A  
    X2222A
    Gigabit Ethernet
    カード
    本体LAN  
    X3150A  
    X3151A  
    X4150A  
    X4151A  
    X4422A  

    • 業務LAN
      GLSにより業務LANを冗長化する場合は、同一のカードを複数枚搭載してください。なお、InfiniBandは高速切替方式でのみ冗長化が可能です。また、業務LANと運用管理LANを兼用することも可能です。
      業務LANとして使用可能なカードは以下のとおりです。

                   ・PRIMEPOWER

     

     

    装置名 型名 備考
    Ethernet
    カード
    本体LAN  
    PW008FE1  
    X1033A-A/F  
    PW008QE2
    PW008QE1/-F  
    Gigabit Ethernet
    カード
    本体LAN  
    PW008GE4/PW008GE4A  
    PW008GE5/PW008GE5A  
    PP028GE1/-F  
    PW008GE1/-F  
    PW008GE2
    PW008GE3  
    PW008QG1  
    IBカード PW028SY1 InfiniBand用

          ・富士通S series

     

     

    装置名 型名 備考
    Ethernet
    カード
    本体LAN  
    X1033A-A/F  
    X1034A-A  
    X2222A
    Gigabit Ethernet
    カード
    本体LAN  
    X3150A  
    X3151A  
    X4150A  
    X4151A  
    X4422A  

    • リモートコンソール接続装置(RCCU:Remote Console Connection Unit)
      非同期監視、クラスタコンソールの集中管理、異常ノードの停止を行うために、各ノードのシリアルポートにRCCUを接続する必要があります。富士通S seriesの場合は必須です。
      リモートコンソールとして使用可能な製品は以下のとおりです。

     

     

    装置名 型名 備考
    コンソール接続装置 GP7B3RM2

    ただしPRIMEPOWER 250/450でXSCFをコンソールとして使用する場合はRCCUは不要です。
    また、PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500 を使用する場合はRCCUは不要です。

    • 共用ディスク装置
      複数のノードでデータの引継ぎを行う場合には、共用ディスク装置が必要です。ETERNUS ディスクアレイ、 ETERNUS GR700 seriesの場合は、ETERNUSマルチパスドライバが必要です。ETERNUSマルチパスドライバは、パスフェイルオーバ機能やロードバランス機能を提供します。
      また、以下の目的でクラスタの共用ディスク(SAN)に対して、必ずボリューム管理を行ってください。
      • パス異常によるクラスタのフェイルオーバの実現
      • 待機サーバからの不当アクセスの防止
      • 各サーバからのデバイスパス名の一致化

      接続可能な共用ディスク装置は以下のとおりです。

     

     

    装置名 製品名 接続カード マルチパスドライバ
    ディスクアレイ装置(SAN) ETERNUS GR710 PW008FC3
    PW008FC2/-F
    PW008FC2A/-G
    GP7B8FC1/-F
    GP7B8FC1A/-G
    GRMPD1.0.X
    ETERNUSマルチパスドライバ 2.0.X
    ETERNUS GR720
    ETERNUS GR730
    ETERNUS GR740
    ETERNUS3000 series
    ETERNUS4000 series
    ETERNUS6000 series
    ETERNUS8000 series

    ディスクアレイ装置(NAS)

    ETERNUS NR1000F series 業務LANとして使用可能なEthernet、Gigabit Ethernetカード(Gigabit Ethernetカードを推奨) GLS(NIC切替)
    増設ファイルユニット PW007FL2 PW008SC3
    PW008SC3A
    GDSによるミラー必須
    PW0G7FL1
    PW0R7FL2
    PW0R7FL3

    以下のIHVストレージをサポートしています。

     

     

    装置名 製品名 接続カード マルチパスドライバ
    ディスクアレイ装置(SAN) Symmetrix8000/DMXシリーズ(EMC) PW008FC3
    PW008FC2/-F
    GP7B8FC1/-F
    PowerPath4.5以降
    CLARiX CXシリーズ(EMC) PW008FC3
    PW008FC2/-F
    SANRISE Universal Storage Platform / Network Storage Controller(日立製作所) PW008FC3 HDLM05-60, 05-61-/A
    PW008FC2/-F HDLM05-41, 05-41-/B, 05-60, 05-61-/A
    SANRISE9900シリーズ(日立製作所) PW008FC3 HDLM05-60, 05-61-/A
    PW008FC2/-F HDLM03-02-/B, 05-02, 05-02-/B, 05-02-/D, 05-41, 05-41-/B, 05-60, 05-61-/A
    SANRISE2000シリーズ(日立製作所) PW008FC2/-F HDLM03-02-/B
    ESS800(IBM) PW008FC2/-F SDD1.5.0.5, 1.6.0.9
    DS8000(IBM) PW008FC3 SDD1.6.0.9
    D-series(Storage Tek) PW008FC2/-F RDAC8.40

    IHVストレージとの接続については、組合せ可能な製品版数等に注意点があります。

    • クラスタコンソール
      Web-Based Admin Viewを動作させるためにPCクライアントまたはSolaris OSが動作するワークステーションが必要です。
      PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500 を使用する場合は専用のシステムコンソール上で動作することが可能です。
      Web-Based Admin Viewでサポートされるクライアントのハードウェア、OSおよびWebブラウザなどの動作環境を以下に示します。

      • PCクライアント
        • CPU
          PentiumII 233MHz相当以上

        • メモリ
          128MB以上搭載

        • OS
          Microsoft® Windows® 2000 operating system
          Microsoft® Windows® Millennium Edition
          Microsoft® Windows® XP operating system
          上記を総称してWindows® と表記します。

        • Webブラウザ
          Netscape® Communicator 4.5〜4.7X、Netscape® 6.2、Netscape® 7、Internet Explorer 5.0以上
          (Java Plug-inが必須)

        • Java Plug-in
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.3.1
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.4.2

        • ディスプレイ装置
          800×600ドット以上で、High Color(16ビット、65,536色)表示可能なもの


      • Solaris OSが動作するワークステーション
        (PRIMEPOWER 800/900/1000/1500/2000/2500,GP7000Fモデル1000/2000専用のSystem Management Consoleもクライアントとして使用可能)

        • Webブラウザ
          Netscape® Communicator® 4.72〜4.7X、Netscape® 6.2、Netscape® 7、
          Mozilla Webブラウザ 1.7(Solaris 10 OSを使用する場合のみ)
          (Java Plug-inが必須)

        • OS
          Solaris 9 OS 以上

        • Java Plug-in
          20.1.2.2,REV=1999.10.14.18.04 以上
          20.1.2.2,REV="2"001.05.01.15.36 以上
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.2.2
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.3.1
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.4.2

        • メモリ
          128MB以上搭載(ブラウザを複数起動する場合や、各運用管理画面を複数起動する場合は、256MB以上を推奨します。)

        • パッチ
          Java™ 2 Runtime Environment Standard Edition Version 1.3.1および 1.4.2 を使用する場合、パッチが必要となります。詳細は、Web-Based Admin View 操作手引書を参照してください。